痛風でもお酒が飲めるかどうか?(痛風専門医の実体験より)

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痛風って、

「この世のどんな激痛にも痛風の痛みにはかなわない」とか、
「痛風はのこぎりでからだを刻まれるより痛い」とか表現されるほど、激痛です。

私は幸い痛風発作の経験はありませんが、ビールをはじめ、アルコールを多量に飲むので、
尿酸値が上がって痛風になるのは心配です。

すでに尿酸値が高い方や、痛風発作が出ている方。お酒を制限している方もいると思います。でも、ほんとうにお酒や食事制限が必要なのでしょうか?

そこで、痛風専門医が痛風になって、お酒や食事の摂り方を人体実験した結果があるので、参考にしてみましょう。

1.痛風専門医が痛風になった体験談!

これは、鹿児島大学病院教授の納光弘先生の話です。

先生は痛風の専門医。
ご自身は痛風になったことはなかったようです。
しかし、59歳のある晩、右足の人差し指にものすごい激痛が走ります。

すぐに痛風とわかり(さすが専門医)
消炎鎮痛剤を8時間おきに飲んで、痛み治まるのに1週間かかったそうです。

先生は無類のビール好きで、59歳まで35年間、ほとんど毎晩のように飲んでいました。

痛風の患者さんには、「お酒はいけません、我慢してください、特にビールはいけません。」
と言い続けてきたくせに、いざ自分が痛風になると、
「これで、ビールも日本酒も飲めなくなるのか」とひどく落胆しました。

お酒好き人には、お酒を止めなくてはいけないってホントつらいと思います。
私だって、痛風になって、お酒を控えて下さいって言われたら、
何の楽しみも、ストレス解消方もなくなってしまします。
また、食べ物も制限しなくてはならなくなったら、食べる楽しみも奪われます。

やはり、この先生もそう考えたようです。
あえて好きなビールを大量に飲んだり、禁酒したり、少し飲んだり
人体実験して、痛風の原因となる尿酸値の測定を続けました。

 

2.アルコールと尿酸値の関係は?

 

アルコールの中で、ビールはプリン体が多くて、
プリン体が尿酸値を上げて痛風になるので、
痛風ではビールをまず控えるように言われます。

ビール以外の日本酒、ウイスキー、はプリン体が少なく、
焼酎はプリン体ゼロです。

先生は、ビールだけでなく、日本酒とか焼酎でも、飲酒量と尿酸値の変化を調べました。

その結果、

アルコールを飲めば尿酸値は上昇し、やめれば尿酸値は下がりました。

なんだ、予想どうり当たり前じゃないかと思うかもしれません。

でも、プリン体ゼロの焼酎でも、尿酸値は上がりました。

ところがです、

「少量のアルコール(日本酒換算で、1日1.5合程度)であれば、
逆に尿酸値が下がった。」

という驚きの結果がでます。
どういうことでしょうか?

3.尿酸値が上がる仕組み

痛風の原因になる尿酸値が上がる仕組みって
プリン体が多い食品を取りすぎると上がると思っていますが、

実は、尿酸は体内で8割以上作られています。
食事や飲み物からは2割以下。

尿酸の生成と排出を次の図にまとめました。

なので、プリン体の多い飲み物、食べ物を摂ったからって
必ずしも尿酸値が上昇するわけではないのです。

最近の研究では、
食事でからだに入ってくるプリン体の大部分は、腸で分解されるので
よほどプリン体の多い食べ物を大量に摂らない限り、尿酸値の上昇にはあまり影響がない。
と言われています。

痛風を心配して、食べ物もさほどプリン体を気にしなくてもいいということで、
安心しました。

 

食事と体内で生成された尿酸と
排出される尿酸の関係で、
体内に尿酸が増えすぎると痛風につながります。

 

ビールが尿酸になるプリン体が多いと言われていますが、
プリン体が多い食品に比べたら微々たるもの。

白米  25.9mg
枝豆 47.9mg
豚バラ 75.8mg
醤油 45.2mg (100gあたり)

ビール 3.3~6.9mg
日本酒 1.2mg
ワイン 0.4mg
焼酎  0 (100mlあたり)

なので、痛風になってもビールは飲めます。

でも、
アルコール自体が尿酸を増やす働きがあるので、
飲み過ぎないことは必要ですね。

少量のアルコールであれば、逆に尿酸が下がったというのは、
からだのストレスが軽減されて、
尿酸の生成と排出のバランスが良くなるためと
先生は考えています。

気になる
痛風患者でも1日にアルコールが飲める量ですが、
先生の人体実験の結果によると・・

日本酒なら    1.5合
焼酎お湯割りなら コップ2杯
ワイン      グラス2杯

気になるビールは 750mg

大酒飲みには物足りないところですが、
痛風になっても全くアルコールを飲めないということではないので、
一安心です。

さらに、ビールは日本酒やワインなどよりアルコール濃度が薄いので、
同じ量を飲んでも、水分がより多く摂取されて
尿量が多くなり、
痛風の合併症の尿路結石の予防になるということです。

なので、痛風の場合に、ビールを止めるのではなくて、
適量のビールを飲んだ方が、
尿酸値を下げたり、
尿路結石の予防になるという結論。
ビールは痛風には善玉でした。

お酒のみの痛風患者には、何とうれしいことではないでしょうか。

私も、尿酸や痛風を心配しないで、アルコールは飲み続けます。
まあ、適量は守らないといけませんが・・

◎まとめ

プリン体が多いと言われるビールでも、プリン体を含む食品に比べれば微々たるもの、
 ビールはむしろ尿量を増やすので、尿路結石の予防になる。
 ただし、飲み過ぎは注意。

・少量のアルコールは、ストレスを軽減し、尿酸値を下げる。

・アルコール量が増えると、プリン体ゼロの焼酎でも、尿酸値は上昇する。

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