「フラップ手術の体験談」と治療費や保険適応について!

歯周病治療

還暦の男性です。

歯科に長年定期的に通院していたのにもかかわらず、
実は歯周病が重症になっていました。

29本あった歯のほとんどは、歯周ポケットが5mm以上。
ひどいところは10mm以上のところも何本かあり、
ほとんど末期の歯周病状態でした。

麻酔をかけての全部の歯の歯石取りをしましたが、
それだけでは足りず、フラップ手術をすることになりました。

フラップ手術ってどんな手術かわからなかったので、
当初はたいへん不安がありました。

そのフラップ手術の体験談です。

あと、費用や保険適応ができるかも書きました。

フラップ手術を検討している、
あるいはこれから手術を受けられるあなたの
参考にしてください。

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1.フラップ手術とは?

まず、フラップ手術とはどんな手術かまとめておきます。

重度の歯周病になると

①歯の周りの骨

②歯根膜という歯根の周りの組織

が破壊されます。

この進行を止めて、再生を促すためには、

歯周病菌に冒された歯茎を切除して

歯の根元までくっついている歯石を取り除く

ことを行う必要があります。

よくテレビのCMとか、雑誌の広告などで、

歯周病の治療に歯磨き粉や薬剤、レーザー治療などが宣伝されていますが、

重症歯周病には効果はありません。

重症歯周病は、歯の根元まで、がっちりと歯石がくっついているので、

とうてい、歯磨き粉や薬剤やレーザーで取り切れるものではないです。

歯茎をめくって、歯を根本までむきだしにして、

目で見て、確実に歯石を削り落とすのが一番確実で効果があります。

これは、実際に重症歯周病で抜かざるを得なかった自分の歯を見て、
痛感しました。

根本まで、がっちりと牡蠣貝のようなでこぼこした歯石がくっついていました。

2.フラップ手術の体験談

今回手術を受けたのは、下の前歯6本。

手術した内容は次のことです。

歯茎を開いて、歯の根元の方まで歯石取り

不良になった歯肉(歯茎)の切除

溶けてしまった歯を支える骨の再生を促進する治療

手術前の麻酔

下の前歯、表側から数カ所、裏側から数カ所、麻酔の注射をしました。

これは、通常の抜歯のときの麻酔注射と同じ感じですが、

何カ所も打たれるたので、ちょっと嫌でした。

手術

手術中、歯茎を切開して、歯を根本までむき出しにして、

歯石を取ったり、不良歯茎を切開していたと思いますが、

当然見えているわけでないし、麻酔も効いているので、

特に苦痛はありませんでしたが、

歯石を取るときに、ガリガリガリガリ

とすごい力を入れて歯石を削っているのがわかりました。

麻酔が効いているので痛くはありません。

相当歯の根元まで歯石ががっちりくっついていたということです。

手術は、1時間程度で終了。

あっという間に終わった感じでした。

手術は次のように切開したそうです。

◎歯の根っこの部分が露出するので、
 歯石がついていたところはきれいにしました。

歯茎の炎症を起こして悪くなっていた部分を切除。

歯科医師にあとで聞いたことですが、
フラップ手術で大事なのは、歯根までの歯石の除去や炎症歯茎の除去だけではなく、

「歯槽骨が溶けている状態を実際に確認して、少しでも歯槽骨が再生する
     状態であれば、再生しやすいように処置してあげることです。」
と話していました。

歯槽骨が再生しやすい処置とは、骨芽細胞が働きやすい環境にしてあげることのようですで、いくつか方法があるようです。

手術後

麻酔が切れてからじわじわと痛みがでてきました。

痛み止めを使うほどではありませんでした。

術後の発熱のようなものはありません。

フラップ手術をとても不安に思っていましたが、

術後直後の感想は、そんなにたいへんではなかったです。

食事

問題は食事!

食事は前歯を使っては痛くてかめません。

奥歯でも、前歯の術痕に響いてよくかめませんでした。

柔らかいものをほぼ丸呑みのような状態でした。

しばらく食事はたいへんでした。

食べないとからだが弱るので、細かくしたり、柔らかくしたり、

何とか必死に食べていました。

術痕の痛みは、日々徐々に薄れてきましたが、
1週間ぐらいは、前歯はほぼ使えない状態でした。

1週間後ぐらいから、柔らかい物であれば、前歯でも

噛めるようになりましたが、

手術した歯茎は押すと痛みがありました。

抜糸するまでは、患部の歯磨きは禁止で、うがい薬を使っていました。

ブラッシングができないので、患部の歯にプラークがたまってざらざらして
気分がよくありません。

2週間後に抜糸して、
一番毛先が柔らかい歯ブラシで、歯磨きを再開しました。

食事は硬い物は避けていました。
レタスのような生野菜もちょっとうまくかめません。

睡眠

夜間はじわ~とした痛みで熟睡できませんでした。

痛み止めはあまり使いたくないので使わなかったのですが、
痛み止めを飲んでもあまり効果がなかったでした。

何日かは、ただただ耐えて何とか寝ていました。

その後

手術後、1週間くらいは痛くてまともに噛めませんでした

熟睡もできませんでした。

そのあと徐々に痛みは薄れてきましたが、

あまり意識しなくて噛めるようになったのは、

1か月くらいしてからでしょうか。

歯周包帯

下の歯のフラップ手術をしたあと、歯周包帯という

ガムのようなもので術痕をくるみました。

普通は1週間ぐらい着けておくのですが、

私の場合、通院の関係で翌日には、この歯周包帯をはずし

手術患部がむき出しになってしまったので、

それもあって食事の時の痛みで困ったと思います。

手術翌日、歯周包帯を取ったあとの写真 ↓

もともと下がっていた歯茎が、手術でさらに下がり、

手術後なので、歯茎がぐじゅぐじゅしています。

縫合した糸が歯と歯の間から見えています。

2回目のフラップ手術は、上の前歯でした。

そのときは、歯周包帯を1週間着けていたので、

1回目のフラップ手術のとき歯周包帯を翌日にはずしたときよりは

食事とか睡眠時の痛みは楽でした。

上の歯の歯周包帯↓

フラップ手術をまとめると

私の場合

手術自体は、あまり苦痛はなかったのですが、

術後の食事が、患部の痛みで良く取れず困りました。

しかし、

フラップ手術を受けたことで、

後日の検査で、

歯周ポケットが、1カ所は4mmでしたが、

他はすべて3mmに改善されていました!

重症歯周病で、ほぼ全部の歯が抜けて総入れ歯でもおかしくなかったのに、

これだけの改善はものすごいことです。

超重症の歯周病の歯は、何本か抜歯せざるを得ませんでしたが、

現在、入れ歯もインプラントもなしで、自分の歯で支障なく食事ができています。

重症歯周病の最終治療として、フラップ手術は有効だと思います。

3.フラップ手術の治療費

フラップ手術は、保険適応でできます。

費用は、歯の本数で変わってきます。

私はフラップ手術を計3回受けていますが、

1、2回目は5~6本の治療で、それぞれ11000円ほど、

3回目は1本のみで2440円でした。

フラップ手術というと、高度な治療技術と手間がかかるので、

高額な治療費を想像していましたが、とても格安で驚きました。

しかも私の場合、県民共済に加入しているのですが、

手術適応で、保険金が支払われたのでフラップ手術の治療費は

すべてカバーされました。

4.歯槽骨再生治療

エムドゲインとかリグロスとかの歯槽骨再生治療もする場合は、

別途費用がかかります。

歯槽骨再生治療は、歯の状態により適応出来る場合、そうでない場合があるようです。

さらに、その治療技術がある歯科医でないと当然治療できません。

私の場合は、適応外だったようですが、

私のかかった歯科医は、手術のみでも歯槽骨が再生しやすい環境を

フラップ手術のときに同時に整えてくれいるらしいので、

手術のみでも歯槽骨が再生する可能性はあります。

実際にフラップ手術のみで、歯槽骨が再生した症例を見せてもらいました。

歯周病治療の最終手段は、フラップ手術は有効だと思いますが、

そこまで悪くしないためのアドバイスです。

さらに、フラップ手術で歯周病が改善しても、再び悪化する可能性があるので、

再発予防のアドバイスにもなります。

5.歯周病治療ができる正しい歯科医を探す

まず歯周病治療に一番大事なことは、

「歯周病治療ができる正しい歯科医を探すこと!」

これが大前提です。

これには、私達患者の方も歯周病の知識がある程度ないとダメです。

歯周病の予備知識と、正しい歯科医の探し方は別記事にまとめましたので、
参考にしてください。

現在定期的に歯科にかかっているから大丈夫!
というだけでは、私のように歯周病が進行してしまうことがあります。

改善しても、再び悪化する可能性があります。

その歯科医が、歯周病に対して正しい認識と治療技術を持っていないと、
歯周病の治療はできません。

6.患者側ができる歯周病治療

歯周病治療は、歯科医と患者の二人三脚でないと上手くいきませんが、
患者側でできることが、大きく3つあります。

まず

ア.正しいブラッシング

自分の場合は、1日1時間以上のブラッシングが必要って指導されました。
重症になればなるほど、長時間のブラッシング時間が必要なようです。
1日1時間ってなかなか時間が取れないので、
自分の場合、毎朝30~60分間くらい早起きしてブラッシングしています。

イ.フロス・歯間ブラシの使用

ブラッシングだけでは、歯と歯の間はきれいにならないので、
デンタルフロスや歯間ブラシも使うことが必要です。
自分は、今までフロスや歯間ブラシの重要性を認識していなかったので使っていなかったのですが、フロスや歯間ブラシの使用もとても大切です。

ウ.生活習慣の改善

規則正しい生活・充分な睡眠時間の確保・禁煙など

これは、他の病気を治す場合でも必要なことですが、からだを休めて、ストレスを軽減することは必要です。禁煙は、血行を良くするためです。

エ.プラーク・歯石の除去

プラークや歯石があると、歯周病菌の巣になるので、除去する必要があります。
プラークや歯石は、歯茎の上の見える部分は通常取ってもらっていることが多いですが、
進行した歯周病では、歯茎の中にもプラークや歯石はあるので、
進行を抑えるためには、それも除去する必要があります。

今の歯科医にかかるまで、
歯茎の中まで、プラークや歯石を除去する方法があるとは知りませんでした。
もっと早くその方法を知っていて治療を受けていれば、重症化を防げたわけで、
とても悔しい思いをしています。

私は6回に分け、全部の歯について、歯茎の中までプラークと歯石を除去してもらいました。毎回1時間くらいかかりますが、あっという間です。
がっちりくっついた歯石の除去は、かなりの力作業で、歯科衛生士さんはたいへんそうでした。
これをやってもらうと、多少歯茎が下がりますが、歯茎が締まってすっきりします。
歯茎からの出血や口臭がなくなりました。

歯周病が改善しても、再び悪化しないように、歯垢や歯石のコントロールは必要です。

◎まとめ

重症の歯周病の場合、抜歯せざるを得ない歯もありますが、

歯周病の正しい治療ができる歯科医を探して、フラップ手術とセルフケアで
できるだけ自分の歯を残すことは可能だと思います。

フラップ手術は、保険適応にもなるので負担も少ないです。

とにかく、歯周病のことをよく説明してくれて、歯周病を正しく治療できる技術のある歯科医
を探すことが一番大切だと思います。

歯周病治療
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