骨の老化予防や改善に重要な「重力」とは?

病気の予防や治療

中高年になると、老化を少しでも抑えたいと思いますよね。
私は長年、自然療法の指導や臨床をしていますが、
日頃診療しているなかで、中高年の老化の一番は、膝痛や腰痛の人がたくさんいることを考えると、まずは骨の老化だと思います。

老化予防には、まず骨の老化を抑えることが大切ですが、そのためには「重力」
必要です。

骨と重力って、ピンとこない人もいるかもしれませんが、
今回は、骨の老化を抑えるために重力が大切だということを説明したいと思います。

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1.骨と重力

骨を丈夫にする方法って言うと、たいていの人は、「カルシウム、牛乳」
って答えますよね。でも、牛乳飲んでカルシウムを補っただけでは、ダメなんです。

 

宇宙飛行士は、宇宙で無重力生活を送って、地上に帰ってくると、
訓練で相当からだを鍛えているにもかかわらず、立つことすらできなくなっていますよね。

 

国際宇宙ステーションISSで、野口宇宙飛行士は、1日2時間の運動を週6日行っていたそうですが、筋肉も骨も弱って、地上ではすぐに立てない状態になっていました。

 

無重力生活では、骨量は骨粗鬆症の実に10倍の速さで減少するようで、
半年も無重力生活をすると、太ももの骨では、元どおり回復するのに3~4年も
かかるそうです。

宇宙飛行士は、宇宙に滞在中に、骨粗鬆症の薬やカルシウム剤もきちんと飲んでいるにもかかわらずですよ。

何で、宇宙ではそんなに骨が弱くなるんでしょうか?

骨って、骨を作る「骨芽細胞」っていうのと、骨を壊す「破骨細胞」っていうのがあって、通常はバランスがとれているんです。

しかし、
無重力や重力が弱いと、脳は骨は必要ないって判断して、破骨細胞の方を活性化してしまうんです。

そのために、骨の破壊が進んで、どんどん骨が弱くなってしまうんですね。

重力って、骨にとっても大切なんですね。

地球にいれば、無重力は関係ないから大丈夫って考えていると、そんなことないんですね。

地球にいても重力があまりかからない感じられない状況があると骨は弱くなるので、注意しないといけないです。

いわゆる「寝たきり」や「座りきり」状態
・体調が悪くて、ずっと寝ている。
・膝や腰が痛くて、あまり動かない。
・体調は悪くないけれど、外出しないで、ずっと家でテレビを見ている。

 

衝撃的な実験があります。
1980年にNASAが25歳から55歳の健常人2500人をベッドで安静にする実験をしました。寝たままで、1日2~4時間のエアロバイクこぎはしました。
結果は、驚くべきものです。
太ももや背骨からのカルシウムの流失を防げず、平均1日150mg人の全カルシウムの0.5%)もカルシウムがうばわれたそうです。

 

筋肉を動かしていても、骨に重力がかかる状況が少ないと、骨はどんどん弱くなるということです。

2.骨が弱ると、こんなことが老化する

骨が弱ると、次のようなことでも老化が進みます。

・骨折しやすくなる
・背中や腰が曲がってくる
・関節が痛くなる
・骨髄にある造血細胞も減るので、貧血になる
・インスリンの分泌が悪くなり、血糖値が上がる。
・骨から溶け出たカルシウムが血管に沈着して動脈硬化が進む。

 

3.骨を老化させないために

女性では、骨量の減少は、閉経後の女性ホルモンの減少も大きくかかわっています。
これは、女性ホルモンの減少によって骨を作る「骨芽細胞」のはたらきが悪くなり、
「破骨細胞」の働きが強くなるためです。

そのため、ホルモン補充療法が行われたりしますが、乳ガンや子宮ガンになる不安も増えるので、難しいところです。

私たちの診療所を受診する閉経後の女性でも、一般によく歩いたり、からだを良く動かしている女性は、骨量がとてもよいです。

老化予防の第一は、骨を老化させないことで、
そのためには、骨に重力刺激を与えることです。
重力刺激は、良く歩くことですね。

 

4.骨を丈夫にする効果的なウォーキング

骨を丈夫にするには、まずウォーキングですが、
より効果的なウォーキング方法は、骨を意識して歩くことです。

ところが、現代の正しいと言われる歩き方は、筋肉を主に使った歩き方なので、逆に足腰を痛めて、歩けなくなってしまう場合があります。

その点は、下記の記事に書いてありますので、是非参考にしてください。

正しい歩き方と言われる踵着地は、効率が悪く、からだを痛めます

正しい歩き方と言われる足親指で蹴るのは、効率が悪く、足を痛めます

足裏全体で着地して、骨格を意識して、骨主導で歩くウォーキングが、
からだを痛めないし、骨を丈夫にするにも絶対に優れています。

老化が気になる中高年の皆さん、まず骨の老化を抑えるために、
良く歩くことですが、
歩き方も見直してみてください。

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