こんにちは、らんざんです。
長年、自然療法での治療と指導をしています。
私たちの診療所に、
長年、原因不明の痛みで苦しんでいる患者さんが時々来ます。
でも、その「痛みの原因が実はうつ病」
とは、なかなか思いませんよね。
長年の痛みの原因がうつ病だった場合、
うつ病の治療で、
劇的に痛みが良くなるケースがあります。
今回はその例と、良くなる理由を説明しますね。
長年、原因不明の痛みで苦しんでおられる方、
参考にしてください。
1.8年間苦しんだ腕の痛みが、うつ病の治療で 3日で治った
76歳の女性、
30年前にご主人を亡くされて、一人暮らし。
10年前に、左乳ガンが見つかり、手術しました。
非浸潤ガンで、転移もなく、経過は順調でした。
退院してからしばらくして、
右肩から右腕のしびれや痛みがでてきました。
病院では、ガンの関係はなくて、
頸椎が悪いためだろうということで、
首のけん引治療をしていましたが、全く効果なし。
色々痛み止めを使ってもみましたが、全く効果なし。
日中は、まだ痛みが少なかったのですが、
午後3時頃から痛みが強くなり、夜もよく眠れず。
そんな状態が、8年も続いていました。
あるとき、大塚Drの「その痛みはうつ病かもしれません」
のtv番組を見て、大塚クリニックを受診しました。
痛みの原因がうつ病と診断され、
うつ病の薬を処方されたら、
「8年苦しんでいた腕の痛みが、なんと3日で症状がとれたんです。」
2.脳内神経伝達のしくみ
痛みがうつ病の治療で治った例でしたが、
うつ病と痛みの関係、よくわかりませんよね。
では、わかりやすく解説します。
痛みを感じるのは、脳ですね。
脳の中での神経の伝達で、痛みを感じるわけです。
神経伝達は、神経伝達物質で行われますが、
重要なのは、
「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」です。
これらの神経伝達物質が、神経の末端から放出され、
隣の神経の受容体(受け入れ口)に受け取られます。
放出された神経伝達物質ですが、
正常でも、受容体にすべて受け取られるわけではなく、
余った神経伝達物質は、元の神経端末に再吸収されます。
うつ病になると、次のようなことがおこります。
▲脳内の神経伝達物質の分泌が減少してきます。
▲記憶や学習機能をつかさどる「海馬」という組織が萎縮します。
▲記憶や感情制御、行動制御、意思決定などにかかわる
「前頭前野」という部分の血流が減少します。
以上のようなことで、脳の働きの機能不全
つまり、正常に脳が働かなくなります。
そうなると、精神的な症状だけではなく、
身体的な症状、「疲れやすい」「食欲不振」「不眠」
「頭痛」「便秘」「肩こり」「吐き気」「動悸」「めまい」等
脳が誤作動を起こして、
あらゆる症状がでる可能性があります。
痛みも、うつ病からおこる身体症状のひとつで、
脳の機能不全のために、勝手に痛みを感じてしまっているわけです。
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3.うつ病が原因の痛みに、抗うつ剤が効くわけ
ほとんどの抗うつ剤は、
神経伝達で余った神経伝達物質の
再吸収を妨げる働きをします。
そうすると、神経伝達物質の濃度が高まって
受容体の働きも促進されて、
神経伝達物質の不足を補います。
それで、脳の機能不全が改善され、
痛みも改善するというわけです。
4.抗うつ剤の問題点
ところが、抗うつ剤には、問題点もあります。
従来の抗うつ剤は、
どの神経伝達物質にも再吸収を妨げてしまうので、
不足していない神経伝達物質にも作用し、
再吸収が妨げられ余ってしまった神経伝達物質が
便秘やめまいや吐き気などの副作用を引き起こします。
で、現在は、
セロトニンの再吸収だけを妨げる抗うつ剤や
セロトニンとノルアドレナリンだけの再吸収を
妨げる抗うつ剤もでています。
副作用は、減りましたが、
必ず、うつ病に効果がでるわけでななく、
薬の効かないうつ病もある
という問題は残っています。
5.抗うつ剤以外の治療
抗うつ剤は、
不足している神経伝達物質は増やしていないので、
受容体での再吸収を妨げるだけでは
なかなか改善しなこともありそうですし、
ずっと薬を飲み続けなくてはいけないこともあります。
根本的には、神経伝達物質の分泌を増やしたり、
脳内の血行を良くしてあげることなどが必要ですよね。
私たちの診療所では、自然療法で薬を使わずに、
神経伝達物質の分泌を増やしたり、脳内の血行を良くしてあげたり、
日常生活の指導をして、うつ病からの痛みも改善しています。
◎まとめ
長引く原因不明の痛みは、うつ病が原因の場合がある。
うつ病で、脳の機能不全を起こし、痛みを引き起こしている。
その場合は、抗うつ剤が効果的な場合がある。
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