認知症の予防方法、早期発見して改善する方法!

日本は、超高齢化社会に突入し、気になるのは健康問題。
中高年になると、健康問題の中でも、自分は将来「認知症にはなりたくない」という思いが強くなると思います。現在、認知症については有効な治療方法がないので、予防が大切と言われています。では、どうすれば予防できるのかをまとめてみました。
また最近、早期に発見すれば認知症は改善することができることがわかってきました。
今回は、その情報もいっしょにまとめてみました。

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1.認知症の6割はアルツハイマー病

認知症は、認知機能が低下した状態
つまり、記憶力・判断力・認知力・会話力などの機能が低下します。
症状が進むと、物忘れ・妄想・徘徊・抑うつ・暴言や暴力など、色々な症状が
でて、日常生活に支障をきたします。

認知症は、大きく分けると日本では、次の種類があります。
・アルツハイマー型認知症
・脳血管性認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症

認知症の約60%はアルツハイマー型認知症で、約20%は脳血管型認知症と推測されています。

アルツハイマー病の原因は何でしょうか?

2.アルツハイマー病とは

1901年に、ドイツのアロイス・アルツハイマー医師は、46歳の女性患者が記憶障害や激しい妄想を訴えたので診察を続けました。彼女の死後、脳を解剖したところ、脳に広範囲の萎縮があることがわかり、その症例が「アルツハイマー病」と名付けられました。

アルツハイマー病の脳は、「アミロイドβ」というタンパク質が脳に溜まっています。
アミロイドはβは、脳の神経細胞が活動したときに生成される老廃物です。
健康な人では、老廃物として脳から排出されますが、アルツハイマー病の場合は、うまく排出されず、蓄積されていきます。

アミロイドβは、脳神経細胞を傷つけることがわかっています。

さらに、傷つけられた脳神経細胞の中に、神経細胞がネットワークを作るときに使われる
「タウタンパク質」と呼ばれるタンパク質が蓄積されて、神経細胞を死滅させることも
わかっています。

そこで、「脳内のアミロイドβを除去すれば認知症は治せる、防げる」
その考えで、世界中の学者や製薬会社が認知症治療に取り組んできました。
でも、アミロイドβの量を減らしても認知症の進行は阻止できませんでした。

それは、なぜなんでしょうか。

3.アルツハイマー病の進行過程

アルツハイマー病は、遺伝性のものと遺伝性でないものがあります。どちらも症状は起きる症状は同じなので、脳で起きる症状も同じと考えられています。

ワシントン大学のジョン・モリス教授たちは、遺伝性のアルツハイマー病の患者やその家族で、アミロイドβやタウタンパク質の量、脳の海馬とよばれる記憶に深く関係している器官の大きさの毎年の変化を長年、観察しました。

その結果、驚くべきことがわかりました。

アルツハイマー病が発症する前から変化がでていました。
A.発症25年前、アミロイドβの増加が始まる。
B.発症15年前、脳にアミロイドβが蓄積され始める。タウタンパク質も増え始める。
C.発症10年前、海馬が萎縮を始め、認知機能の低下が始まる。
D.発症時、脳のアミロイドβの蓄積がピークとなり、蓄積は終わる。
E.発症後、タウタンパク質は増加を続ける。海馬の萎縮や認知機能の低下は続く。

つまり、アルツハイマー病とわかったときには、アミロイドβの蓄積は終わっていて、
そこでアミロイドβを減らしても、認知の低下や脳の萎縮は防げないということです。

そこで、発症前の段階で異変をキャッチし、対応することが予防になるわけです。

では、それはどうしたらいいのでしょうか?

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4.予防するには軽度認知障害に気づくこと

認知症の前段階は、「軽度認知障害」とよばれています。

これは、軽度の認知症ではなくて、正常と認知症の中間の状態です。
アルツハイマー病までの進行過程でいうと、発症の5年前ぐらいです。
軽度認知障害の段階で気づくことが予防になりますが、問題もあります。

・単なる物忘れと、軽度認知障害の見分けは難しいということ。
・脳のアミロイドβの蓄積の測定でも、軽度認知障害の段階では、異常があるのは6割ぐらいの人のようなので、客観的な測定での判断も難しいということ。

現段階では、軽度認知障害の正確な判断は難しいようですが、例えば、次のような変化がみられた場合、専門医の診察を受けることが望ましいと思います。

①外出がめんどうになる。
②外出時の服装に気を使わなくなった。
③ゴミを出し忘れや曜日を間違えることが増えた。
④洗濯をしても干すのを忘れる。
⑤同じ物を買ってしまうことが増えた。
⑥同じことを何回も話すことが増えた。
⑦小銭での支払いが面倒で、お札で支払うことが増えた。
⑧入浴がおっくうになた。
⑨料理がめんどうになってきた。
⑩味付けが変わった。

軽度認知障害は、認知症の診断よりも難しいので、「物忘れ外来」を受診されると良いでしょう。

↓  ↓  ↓
物忘れ外来一覧

5.「歩き方」による軽度認知障害の発見

加齢とともに、運動機能や認知機能が低下しますが、今までは別ものととらえられていました。しかし、最近の研究で、運動機能の低下が認知症を起こしたり、認知機能のが低下が転倒・骨折を引き起こすことがわかってきました。

つまり、運動機能と認知機能は関係しているということです。
特に「歩き方」と認知機能の関係が研究されています。

歩き方と認知機能は、どういう関係があるのでしょうか?

おでこの奥には、脳の「前頭葉」と呼ばれる場所がありますが、その中の「前頭前野」
という所は、認知・実行機能、つまり思考や行動をコントロールする機能です。

実は、前頭前野の部位は「歩行」という動作もコントロールする作用があることがわかってきました。

認知症では、前頭前野の血流が低下していますが、そうすると歩行にも影響がでてくるということです。

アメリカのアインシュタイン医科大学のバギース教授のチームは、歩行と認知症の研究で、次の結果を出しています。

A.歩くのが遅い人は、認知症になるリスクが1.5倍
B.歩くのが遅く、記憶力の低下の自覚がある人は、認知症になるリスクが2倍

さらに、認知症になるリスクが高い歩行速度の目安は、秒速80㎝より遅い速度と言っています。足腰の痛みがないのに、1秒で1メートルを歩けなくなったら、認知症予備軍の要注意ですね。

6.認知機能低下の予防や改善方法

認知機能が低下して認知症にならないためには、まずは予防が大切です。
そのためにわかっていることを、今のうちから実践しておくことが大切です。

また軽度認知障害が見つかった場合でも、早期に予防と同じようなことを実践することで、現状を維持したり、正常に回復できる可能性もあります。

認知機能低下の予防や改善方法は次のようなことです。

1)ウォーキング

イリノイ州立大学のクレーマー教授の研究によると、運動により脳内のネットワークが改善し脳の若返りが図れます。
その具体的な方法は、

週に1時間程度のウォーキングを週3回行う。
息が少し上がる程度の早歩きが有効。

ストレッチや筋力トレーニングを行ったグループでは脳内ネットワークの改善はなかったそうです。

また、ピッツバーグ大学のエリクソン教授の研究によると、
1年間の早歩きによって、海馬の大きさが2%大きくなった
ことが確認されています。

早歩きが認知機能の改善に良い理由は、早歩きによって脳内にBDNF(脳由来神経栄養因子)とVEGF(血管内皮細胞増殖因子)という物質が増えるためです。

BDNFが増えると、脳内で新しい神経細胞が生成され、脳内ネットワークが改善すると考えられています。
VFGは、新しい血管の生成を促進します。
これによって脳内の血液循環が改善され、新しい神経細胞の生成を促進します。

2)食事

認知機能低下の改善や予防は、血管の状態を良い状態に保つことが大切です。
そのために、食事も重要な要素です。

血管を傷つける原因で、近年急増しているのが、糖尿病に代表される糖代謝の異常です。
血糖値が高かったり、変動が大きいと血管を傷つけ、動脈硬化を促進します。

糖尿病になると、アルツハイマー病の危険度は2.1倍になるとの九州大学の研究があります。

九州大学での福岡の久山町民の研究で、認知症になりにく食事がわかっています。
それは、

多く摂るのが望ましい食品:大豆(豆腐、納豆など)
             野菜
             海草
             乳製品(牛乳等))

少ない方が良い食品:   ご飯
アルコール

適量の食品:       魚、肉

植物タンパクと野菜・海草・乳製品を中心として、適量の動物性タンパクを摂り、炭水化物のご飯は少なく、アルコールも少ない食生活は、血糖値変動が少ない、血管にやさしい食事内容だと思います。

3)質のよい睡眠

近年、睡眠と認知症の研究も行われています。

徹夜をすると、わずか一晩でも、脳内にアミロイドβが増えることがわかりました。
また、徹夜をしなくても、慢性的な不眠でも排出されるべきアミロイドβが蓄積されることがわかりました。

日中、脳の神経細胞が活発に活動しているときは、脳内にアミロイドβが増えていきますが、睡眠中に排出されます。

睡眠をしっかりとると、朝スッキリした気分になるのは、脳内のアミロイドβ等の老廃物を排出されるということも関係していると思います。

従って、認知機能低下の予防や改善には、早めに寝て、しっかり睡眠時間をとること、質の良い不快睡眠をとることも、大切なことになります。

4)認知トレーニング

運動や食事の他には、脳に刺激を与える行動、トレーニングが認知機能の低下の予防や改善に有効です。
・まずは、人とのかかわり。家族、友人、知人、それ以外の社会との交流。
・絵画や音楽、社交ダンスなどの趣味を積極的に行う。

◎まとめ

現在わかっている認知機能の低下の原因やその対応方法をまとめてみると、特に難しいことはなくて、認知症に対する不安を強く持たなくてもいいのではないでしょうか。

よく歩いて、血糖値変動の少ない血管に優しい食事、睡眠をしっかりとって、社会とよくかかわったり、趣味や楽しいことを積極的に行う。など、当たり前の生活のような感じがします。
当たり前の健康的な生活ができていないところを改善することで、認知症の予防はできると思います。もし認知機能の低下をきたしても、早期に発見し対策をとれば、改善は可能です。

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