「効果的な骨量アップの方法」で、中高年女性の骨粗鬆所を予防しよう!

病気の予防や治療

高齢者になってまず困ることは、圧迫骨折や、大腿骨の骨折などで、動けなくなること、動けなくなると、寝たきりにつながり、認知症にもつながります。
健康で長生きし、自立した生活を送るためには、まず骨を丈夫にすることが大切です。
特に、中高年の女性では、女性ホルモンの関係から、閉経後、骨量が激減します。


私たちの診療所では、骨を丈夫にする療法や、日常生活の指導をして、たいへん効果を上げています。
今回は、日常簡単にできる方法で、骨量を効果的に上げる方法を解説します。

 

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1.骨量アップに大切なことは、重力を感じること

骨量と重力、結びつかないかもしれませんが、
宇宙飛行士が地球に帰ってきた場面を思い出していただくといいです。
宇宙飛行士は、過酷な肉体の訓練をしているにもかかわらず、
地球に帰ってきたときには、赤ちゃんのように立つこともできず、
筋肉も骨も老人のように弱っています。

無重力の宇宙空間では、骨量は1カ月に1~2%も減少するようで、宇宙飛行士の
骨粗鬆対策も課題になっています。

地球上でも、寝たきりや座りっぱなしだと、骨量の減少が大きくなります。
寝たきりだと、1日に150mgもカルシウムが、奪われます。

何が一番骨を弱くするのかというと、
宇宙飛行士の例でわかるように、骨にかかる重力が足りなくなることです。

地球上でも、骨にかかる重力が少ない生活をしていると、骨はどんどん弱くなります。

重力を感じるのは、骨の中の「骨細胞」という細胞で、骨細胞が重力を感じることで、
骨や筋肉を強くしなさとの命令がでるわけです。

骨量を増やすには、骨細胞に重力を感じさせることがポイントです。

 

2.骨量を高める簡単骨トレーニング

骨に重力を一番感じさせるには、立った姿勢で、骨に垂直に重力刺激を加えることです。そのための効果的なトレーニング方法です。

(1)踏み台昇降

踏み台を置いて、その上に上がったり、降りたりを1日50回繰り返します。
このとき、筋肉ではなく、からだの骨格を意識して、骨格に垂直に刺激が加わるイメージでトレーニングします。

(2)踵上げ下ろし

イスの背もたれなどにつかまって、つま立ちになり、次に踵をストンと落とす運動を
1日50回繰り返します。
このときも、踵を落としたときの刺激が、全身の骨格に垂直に伝わるようにイメージ
します。

 

(3)歩行時のトレーニング

歩行時に足を着くときに、踵からではなく、
足とからだがまっすぐになるように、足裏全体で着地するようにして歩くと、
骨への重力刺激が増えます。

日頃、この歩き方をしていれば、日常の歩行で骨量をアップすることにつながります。

 

3.骨量を高める食事

骨量を高めるには、すぐカルシウムだと思いますが、
実は、カルシウムだけでは、骨量は増えません。
骨の約70%は、カルシウムやリンですが、
約20%は、コラーゲンです。
コラーゲンの原料となるのは、アミノ酸で、
アミノ酸が多いのは、肉や魚などのタンパク質です。

骨量を高めるには、カルシウムはもちろん、良質なタンパク質を含んだ食事が必要です。

 

4.ビタミンD

カルシウムは、ビタミンDがないと吸収されにくいです。
ビタミンDは魚貝類に多いですが、食品だけでは不足します。

ビタミンDは、日光浴で紫外線に当たると皮膚で産生されますが、
現代社会では、しみやしわ等の肌老化の心配から日光浴はあまりやらないと思います。

不足するビタミンDの補給は、日光浴が一番なので、手や足の皮膚でも良いので、
1日30分程度は、日光浴をするようにしましょう。

戸外で骨に刺激を与える運動が最適ですね。

私たちの診療所では、太陽光線に近い人工光線をからだに照射することで、
血中のビタミンD濃度を高めて、骨量を高める治療をしています。

日頃、仕事などで戸外で日光浴をする機会のない人たちには、たいへん効果的な治療方法です。

実際に、骨量がアップしている症例は多数あります。

◎まとめ

骨量を効果的に上げるには、

・まず骨に重力を感じさせること、
・次にカルシウムと良質なタンパク質の摂取、
・日光浴などでのビタミンDの補給です。

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