お正月を迎えるための準備やしきたりがあります。
大切なのは「年神様」。
日頃聞き慣れない神様かもしれませんが、
お正月になると、あちこちで耳にします。
お正月には、「明けましておめでとう」と新しい年を迎えたあいさつをしますが、
もともとは、1年の豊作と福を運んでくれる「年神様」をお迎えできたことを
お祝いして交わされていた言葉です。
お正月に福を授けにやってくる「年神様」を正しく迎える準備や
しきたりは、福を授かり、開運につながります。
お正月の準備で、年神様の正しい迎え方としきたりをまとめています。
年神様とは?
年神様は、農耕民族だった日本では、実はたいへん重要な神様です。
穀物の豊作・五穀豊穣をもたらしてくれる「穀物の神様」だからです。
農耕をしていた私たちのご先祖様が神様になった姿、ともいわれてます。
また別名「歳徳神」という名前で呼ばれることもあって、
節分に恵方巻きを食べるときに向く方角というのは、
「歳徳神(年神様)」がおられる方角です。
年神様は、天の彼方から来るわけではなくて、
身近な山里にいて、お正月に私たちのところにやってくる
と信じられています。
年神様はお正月に福を授けにやってくるので、
正しくお迎えをして、福を授けてもらいましょう。
年神様のご利益は
・五穀豊穣
・無病息災
・家内安全
などのご利益があります。
食べ物があって、病気や災害に遭わないで、家族が安全に暮らせること、
あたりまえのようですが、私たちが生きて行く上で基本の願いですね。
年神様のやどり方
年神様は玄関や門の松飾りを目印に訪れて
「松飾り」「神棚」「鏡餅」などにやどります。
正月の飾り付けは、年神様がやってくる目印ややどり場所になるので、
きちんと準備する必要がありますね。
※松飾り
松は神様がやどる木と信じられていたので、山から切り出して
家の前に飾っていました。
現在の松と竹を組み合わせた門松は
長寿を招くとして江戸時代に始まったものです。
年神様のもてなし方
・年神様の迎えるにあたって行うのは
まず家の中を清めるそうじ、「すす払い」(注1)からはじまります。
家がきたなくて、清められていないと、年神様は来てくれません。
福を授かり、開運につなげるには、まず掃除でお清めが大事です。
すす払いではないですが、
トイレ掃除で開運につながった話、よく耳にしますよね。
・年神様がやってくる目印ややどり場所になる
正月飾りや鏡餅は年末まで準備する必要があります。
・元旦には、最初にくんだ水(若水)を供えます。
・松の内(注2)とよばれる年神様を迎えている期間は、
神様と一緒におせち料理やお雑煮を食べます。
おせち料理やお雑煮、単にお正月だから食べるわけではなくて、
年神様をお迎えして、お・も・て・な・し・で一緒に食べるわけですね。
(注1)すす払いとは
昔は、家の中で火をたいていたので、家の中がすすで汚れていて、
家を清めるのは、まずそのすすをきれいにすることから、
すす払いと呼ばれてます。
現代は、家のお清めは、家の大掃除なので、やることが多くてたいへんです。
(注2)松の内とは
松の内とは、お正月に正月飾りをして、年神様をお迎えしている期間です。
松の内の期間に初詣や年初の祝い事を行います。
松の内は、松飾りをはずす「松納め」で終わります。
松治めは、もともとは1月15日でしたが、
江戸時代以降、関東と中心とした地域で短縮されて、
1月7日のところが多くなりました。
松の内の間に、年神様をお迎えして、いっしょに食事をするなかで、
福を授けていただき、新しい年の開運につなげるわけです。
まとめ
年末の大掃除、1年の汚れを落として、新年をスッキリ迎えるためと思ってましたが、
実は、年神様にお正月に来ていただくためのもので、
あけましておめでとうも、年神様に来ていただいたことの祝福のことば、
おせち料理やお雑煮も、年神様へのおもてなしだったとは・・
日本人は、ほんとに神様を大事にして日々の生活を送ってきているんだと、
あらためて思い知らされました。
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