「前立腺ガン」、男性は中高年になったら心配しないといけません。
自分のお父さんのことも、50歳過ぎたら注意してあげないといけませんよ。
僕の働いてる診療所にも、毎日のように前立腺ガンの人が受診しますが、
年々増えている感じです。
なかなか、原因も予防法もわかっていませんが、
わかっている情報があるので、紹介しますね。
1.前立腺ガンの罹患数
欧米では、前立腺ガンの増加は日本より深刻です。
日本でも、今後、高齢化社会が進むと、ますます深刻でしょうね。
前立腺ガンって、急速に増えているんですね。
1975年には、たった2,000人程度だったというのも驚きですが、
2000年には約23,000人、2006年には約42,000人、
2020年には78,000人以上と予測されて、
肺がんに次いで第2位になると予測されている。
前立腺ガンの発生原因はよくわかっていないので、
予防といっても、なかなかわからない現状なんですが。
2.前立腺ガンの予防や進行抑制に関わる情報
そんな中
前立腺ガンの予防に役立つような論文があるので、紹介します。
(論文1)
アメリカのガン研究所での、白人男性で、
住んでいる地域の紫外線量と前立腺ガンの
死亡率の関係を調べたものです。
統計的に処理したものが次の図です。
紫外線量と前立腺ガン死亡率は、逆相関で、
つまり、紫外線量が多い方が死亡率は少なく、
紫外線量が少ない方が死亡率が高い。
という結果がでています。
これは、
紫外線によって、血中のビタミンD濃度が
高くなることで、前立腺ガンの進行が抑えられ、
死亡率が下がったと考えられています。
(論文2)
アメリカのフェルドマン博士らが、
ビタミンDと前立腺ガンの関係を調べました。
ビタミンDが前立腺に作用するためには、
前立腺の組織に、ビタミンDを受け入れる
受容体が必要ですが、フェルドマン博士らは、
前立腺組織のビタミンD受容体の存在を証明しました。
次に、
前立腺ガン細胞を試験管内で培養し、
ビタミンDを加えるとどうなるか検討しました。
その結果、
ビタミンDによって
前立腺ガンの増殖が抑制されることを確認された。
また、
ガン細胞が正常細胞に戻っていく作用も
認められたとのことです。
◎まとめ
血中のビタミンD濃度を高めておくことで、
前立腺ガンの予防や進行抑制につながる可能性がある。
ということです。
ビタミンDは、紫外線(UVB)を浴びることで、
皮膚で作られます。
日頃、屋内にいることが多い男性は特に、
「できるだけ、日光を良く浴びるようにする」
と良いでしょう。
また、ビタミンDは魚に多く含まれるので、
「日頃魚をよく食べるようにする」
と良いでしょう。
前立腺ガンになって、ホルモン治療をすると
骨が弱くなるので、
その改善にも、日光によくあたったり、
ビタミンD、カルシウムの多い食材を
良く摂ることが大切ですね。
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