胃バリウム検査は、早期胃ガン発見に適さない理由と対応方法

病気の予防や治療

日本人がかかるガンの中で、現在3番目に多いのが「胃がん」です。

 

私たちの診療所にも、胃がんの患者さんが多数受診します。

大体は、
・急にやせてきた
・食欲が無くなってきた
・胃付近の不快感や痛みがあった
・吐血した

など、何か症状がでて検査したら胃がんが見つかったという患者さんがほとんどです。
症状がでているころには、がん自体、だいぶ進行している場合も少なくないです

 

なので、胃がんの初期発見のために
定期的に健診や人間ドックで「胃のバリウム検査」が行われています。

 

ですが、
「胃のバリウム検査で胃がんが見つかった」という患者さんに出会ったことがありません。

 

皆さん、健診や人間ドックを受診していないのでしょうか。

 

いやいや、会社勤めの方は毎年の健診は義務づけられているでしょうし、
健康志向で人間ドックを定期的に受けている方も少なくないでしょう。

 

では、健診や人間ドックの胃のバリウム検査では、胃がんは見つからないということでしょうか?

 

胃のバリウム検査とは

胃のバリウム検査はバリウム液を飲み、
その流れをレントゲンで見ていきますが、

 

バリウム液は
発泡させてあるのに、ゲップを我慢してとの無理難題・・・
超不味い不思議な味・・・
ぐぐっと飲む感覚は、とても気持が悪いです・・・

 

バリウム検査で何がわかるかというと

 

バリウムが食道から胃、十二指腸と流れていくときに
 食道や胃、十二指腸が狭くなっていないかどうかを見ることができます。

 

また、胃の粘膜の凹凸の有無や、胃炎の有無なども見ることができます。

 

でも、「わかるのは、食道・胃・十二指腸の粘膜表面の形の異常です。」
言い換えると、三次元の物体を二次元に投影した場合の形の異常です。

 

たとえば、欠けた湯飲み茶碗に光りを当てると、欠けた湯飲み茶碗のカゲができます。
でも、角度によっては、欠けたところは写りません。

なので、実際人間のバリウム検査のときは、
体をぐるぐるいろいろな方向に回して検査するわけです。

出典:「人間ドックの9割は間違い」より

 

次に、湯飲み茶碗が欠けてはいないけれど、茶碗の表面にキズ(×)があった場合、
これは光りを当てて、カゲを作っても全く写りません。
つまり、表面的な変化はわからないということです。

出典:「人間ドックの9割は間違い」より

 

▲実際の人間では、早期胃がんは、粘膜の微妙な色の変化で、
表面的変化です。
なので、胃のバリウム検査では、早期胃がんはわかないということです。

胃のバリウム検査でわかるのは、胃がんがだいぶ進行して、
粘膜の凹凸の異常がでてきた場合です。

 

▲また、胃のバリウム検査は、
胸部X線検査の150~300倍のX線の被爆があります。

 

胃がんの早期発見のために、毎年バリウム検査を受けていたら、
その被爆によってがんを誘発する可能性もゼロではありません。

 

医学誌「ランセット」によると、日本ではがんにかかる人の3.2%が
X線の被爆で誘発されたとの報告があります。

 

つまり、早期胃がんの発見には、胃のバリウム検査は適さない
ということですね。

 

では、早期胃がんの発見に、どういう対応方法をとるかとうと、

 

胃がんの早期発見には
「胃カメラ」で直接、胃粘膜の病変を診てもらうことですね。

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