PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療で、PTGという方法とは!

病気の予防や治療

1.PTSDとは

「PTSD」、今はみんなが知るような言葉になりましたが、
正式には心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder)です。

私がこの言葉を初めて聞いたのは、1995年の阪神淡路大震災の後だったでしょうか。
被災者の多くがPTSDの症状で悩んでいるというニュースで知るようになりました。

その後、大事件や大災害のたびに、そのあとにPTSDで悩んでいる人が大勢いることを知ります。

PTSDは、危うく死ぬような、重症を負うような出来事で、心に加えられた衝撃的なストレスが心に加えられて発症します。

その記憶がたびたび現れてフラッシュバック(追体験)して、強い不安や緊張・不眠など、心身ともに疲弊して、平穏な日常生活を送れなくなります。

 

2.PTSDの例

昨日のTVでは、股関節の手術中に全身麻酔が切れて、意識が戻ってしまい、医師がしばらくそれに気づかないまま手術をされてしまったという実話を放送してました。

麻酔が切れたため、地獄のような痛みを経験し、手術は成功したのだけれど、そのあと何年にもわたって、その地獄のような痛みがフラッシュバックして、
過度の不安や不眠にさいなまれている女性がいるという話です。それもPTSDですね。

 

今日の新聞では、元海兵隊のアメリカ人のPTSDの記事を目にしました。
この男性は、現在40歳、イラク戦争に特殊部隊として従軍しました。
隊の命令は「テロと闘ってこい」で、民家を襲撃したときに、若者を連行し、高齢の女性を壁に押さえつけ尋問し、残された幼児が失禁しながらものすごい勢いで泣き叫んでいたという。
そんなことを毎日続けるうちに、人間性を失って、「自分がやっていること自体がテロだ」と思うようになったといいます。退役後、PTSDになり、周りに溶け込めず、他人と自分を責めて、話せるようになるのに10年かかったといいます。

 

米軍の兵士は退役後PTSDになる人が多いようで、毎日20ぐらい自殺しているという。戦争で死んでいる人数より、自殺者のほうが多いというのは、驚きです。

PTSDは、強烈な心的ストレスなので、自分にはその経験はありませんが、想像してみただけで、その記憶を消さない限り回復はとても難しいと思っていました。

 

3.PTGとは

ところが、最近、 「PTG・心的外傷後成長」というものがあることを知りました。

PTGとは、PTSDの人がPTSDを抱えたままで、何とかポジティブな考え方を身につけ、人間的な成長を遂げていくことをいうようです。

先の元海兵隊のアメリカ人は、このPTGができるようになったのは、自給自足で畑で様々な野菜を育てるようになったからといいます。農業で作物を育てているという感覚が、自分の痛みを癒してくれたようです。

さらに、人間的な成長もあって、PTSDの人を増やさないような平和活動もしています。

生命に恐怖を与え、破壊行為を繰り返すというマイナスの行為で傷ついた心を、作物を通して、生命を育てるというプラスの行為で癒してきたわけです。

最近、脳科学的に、PTSDの原因になった出来事を、PTSDを抱えたまま、何とか
ポジティブに捉えようとする心の働きがあるようなことがわかってきているようです。

何を切っ掛けに、マイナスな思考からプラスの思考に転換できるかは、人それぞれ違うでしょうが、できないことはないはずです。

PTSDになっても、どこにも改善の糸口はないわけではなく、どこかに悪循環を断ち切る糸口はあるし、PTSDをきっかけに、逆に人間的な成長にもつながることがあるということを認識することは、希望が見いだせます。

私の父親や妻の父親も、戦争体験者で、当時のことはほとんど話そうとしません。
たぶん相当なPTSDがあったと思います。それを癒したのは、平穏な家庭生活、幸せな家族のきずなを作ってきたことかと思います。

PTSDの回復には、とても長い時間がかかります。自然災害でPTSDになってしまうのは仕方がないかもしれませんが、人為的な事件、事故でPTSDの被害者が増えないような社会になって欲しいと思います。

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