肩が痛い、五十肩で手が上がらない。
病院の治療を受けても、なかなかよくならない。
そういう患者さんが、私たちの診療所によく来ます。
どうしてなかなか治らないかって。
肩だけ治してもダメなんです。
肩が痛くなる原因、肩の動きが悪くなる原因があります。
今回は、肩痛・五十肩の日頃言われていない原因や治療方法を説明しますね。
1.肩が痛くなる原因
肩痛は、スポーツなどで、肩の脱臼・打撲等の明らかな原因がなくて、
原因不明の「肩関節周囲炎」とか言われることが多いと思う。
年配者だと、加齢現象ですね。みたいなことで済まされちゃうことも多い。
でも、肩痛い人や、肩の動きが悪い人は、そうなるような原因が見られるよ。
それを説明しようと思うけど、
その前に、「肩ってどこで動くと思う?」って聞くと、
普通、「変な質問だね、肩って、肩の関節で動くに決まってんじゃん。」
って言うと思う。
しかし、実は違うんだよ。
肩が動くときって、
胸の中央の胸骨っていうところに、鎖骨って横に伸びる骨があるんだけど、
その骨も、胸骨の関節のところで、上下に動く。
また、肩甲骨が、背中でワイパーのように左右に動くんだ。
肩って、鎖骨や肩甲骨の動きを伴わないと、十分に動かない。
肩痛や肩の動きが悪い人は、鎖骨や肩甲骨の動きが悪い。
そうすると、肩が十分に動かない。
また、鎖骨や肩甲骨の動きが悪いため、
肩を動かす時に、肩関節のみで動かそうとするので、肩関節の負担が大きくなり、
肩関節の炎症を起こしやすくなって、傷みがでるわけ。
2.鎖骨や肩甲骨の動きが悪くなる理由
じゃあ、どうして鎖骨や肩甲骨の動きが悪くなるかっていうと、
たいてい姿勢が悪い。
だいたい猫背で、肩がからだの前の方に巻き込んでいる。
その姿勢だと、
胸の前の方の筋肉は縮んで、鎖骨が動きにくい
背中の筋肉は引き伸ばされて、肩甲骨が動きにくい
肩が痛い人、肩の動きが悪い人は、たいていそんな状態になっているね。
3.肩痛や肩の動きを治すには
(1)姿勢を正す
肩が巻きこんだ姿勢を治す必要がある。
そのためには、骨盤を立てて、背筋を伸ばして、
巻き込んでいた肩を、正しい位置に戻す。
(2)胸鎖関節の動きの改善
鎖骨が着いている、胸鎖関節を良く動かして、動きを改善する
(3)肩甲骨の動きの改善
肩甲骨周辺の筋肉が硬くなっているので、それを緩める運動がいいです。
前田健太投手の「マエケン体操」なんていいと思います。
マエケン体操の肩回しは、肩が痛いとできないと思いますので、
前屈みになって、胸を張って、肘の上げ下げ体操のみでもいいと思います。
動画。
4.肩痛、五十肩の治療方法
姿勢矯正と胸鎖関節と肩甲骨の動きの改善を十分に行ってから
肩関節患部の治療をすると、治りがいいと思う。
肩関節患部は、基本は温める治療がいい。
炎症があっても、冷やすのは一時しのぎで治すことにはならないよ。
炎症が強いときに温めると、痛みが強くなることがあるけど、
その場合は、温める時間を短くしたりして、調節しながら治療すればいい。
◎まとめ
肩の痛みや肩の動きが悪いときは、肩の治療の前に、姿勢を治したり、胸鎖関節や肩甲骨の動きを改善することが必要です。
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