「光線療法」って聞いたことありますか?
皮膚科の治療で「光線療法」を行っていることがあるけど、その場合は、レーザーとか、
紫外線とか、赤外線を使う治療方法ですね。
他に、ブリタニカ百科事典で光線療法って調べると、
「光線療法は、日光療法ともいい、太陽光線を利用して行う治療方法」ってあります。
「私たちが行っている自然療法は、この太陽光線を利用する光線療法」です。
太陽光線というと一般的には、日焼けする、シミが増える、皮膚がんの心配などのマイナスのイメージが多いですよね。
でも、人間を含め地球上のほとんどの生物は、太陽光がなかったら生きていけないわけで、太陽光は必須のものです。
日本にいると、ふだん当たり前のように太陽光線に当たっているので、
太陽光線が健康に大切だとか、さらに病気の治療にも役立つなんて、ほとんどというか、
まったく意識しないんじゃないかと思います。
でもね、昭和の初め頃、下の写真のような「太陽光線治療器」っていうのがあって、
屋外からの太陽光線をレンズで集めて、からだに照射する治療方法があったんです。
当時は、全国に120カ所ぐらい「太陽光線治療所」っていうのがあって繁盛していたようでそんな、太陽光線を使った治療所があったなんて、驚きですよね。
その後、太陽光線そのものを使うのは、天気が悪いとできないし、夜もできないという不便さから、人工的に太陽光線に近い光線を出す治療器が作られたわけです。
その人工太陽光線治療器を作ったのが、デンマークのお医者さんで
「ニールス・フィンゼン」という人。
19世紀初頭のヨーロッパ。
まだ電球が発明される前の街路灯は、ガス灯で明かりをとっていたけれど、
電気を使ったアーク灯というものが発明されたんです。
出典:電気学会誌HPより:http://www.iee.jp
アーク灯って、炭素棒(カーボン)の電極に電流を流して、放電させるものなんだけど、
とっても明るい光と、温かい熱が発生します。
ガス灯の変わりに、このアーク灯も公園の照明に使われだした。
このアーク灯のまわりは温かいので、夜冷え込んでくると、浮浪者たちがアーク灯のまわりに集まって過ごすようになった。
そのうち、
アーク灯に集まっていた浮浪者、特に病気をもった浮浪者が元気になっている
っていう現象が発生してきました。
フィンゼン医師は、これをヒントに医療用のアーク灯を作って、当時ヨーロッパではやっていた皮膚結核やくる病の治療に成功して、ノーベル賞を受賞しているんです。
このカーボンを使ったアーク灯が、太陽光線に近い光線を出す、人工太陽光線治療器の原型なんです。
日本にも入ってきて、太陽光線治療所で、生の太陽光線の変わりに、このカーボンアーク灯が治療に使われ出したわけです。
地球上の生物って、何億年もかけて太陽光の下で進化してきてますよね。
だから、太陽光に当たるとからだが上手く機能して、元気になるようにできているんです。
なので、このカーボンアーク灯による、太陽光に似ている人工的な光線を浴びても、元気になるんです。
事実、カーボンアーク灯による治療では、いろいろな病気や難病が回復したので、戦前は、政財界や皇族などでも広く使われ、戦争中は陸海軍でも使われていたという、驚異の治療方法だったんです。
残念なことに、戦後は現代医学の手術や薬の医療に押されて、知る人ぞ知る治療方法になってしまいました。
でも、現代医学の対症療法的な治療、薬漬けの治療では、年々医療費も病人も増え続け、行き詰まりを感じさせます。
「カーボンアーク灯による光線療法は、人間が本来もっている自然治癒力を高める治療方法」なので、病気の予防にもなるし、病気になった場合でも根本的に治すように働きます。
ふたたび、こういう副作用のない、自然療法は見直されるべきだと思います。
現代医学も必要なところは多いですが、
現代医学に不足している部分をこの「光線療法」で補って、是非健康な生活に役立ててもらいたいと思います。
現在の光線治療器の一例
照射例
出典:コウケントー公式HP http://koukento.co.jp/about/index.html