「ハチに刺されたとき、冷やした方がいいのか、温めた方がいいのか」
ホント悩みますよね。
でも、ちゃんとハチの毒のことについて知っていると、
とっても効果的に対応できるので、心配いりません。
実例を紹介しながら、説明しますね。
1.ハチ刺されの治療の実例
私の知り合いのおばさんの話です。
彼女は、伊豆の山の中で一人暮らし。
この夏、庭で草木の手入れをしていたところ、
草むらに潜んでいた、蜂に(たぶんスズメバチ)
右手の親指を刺され、
軍手をしていたのに、その上から刺されたそうな
痛いの痛くないのって、超激痛で声もでない。
知り合いの車で市民病院に連れてってもらった。
とりあえず、
アナフィラキシーショックはなさそうとのことで、
手当をしてもらったそうです。
そこで問題ですが、
患部を冷やしたでしょうか?
温めたでしょうか?
→「腫れて痛いから、思い切り冷やした。」
→ブー違うんです。
今は、ハチ刺され、病院でも温めるんです。
46~47℃のお湯を入れたビニール袋で、
患部を温め、30分くらいで痛みはうそのようにとれたそうです。
病院でも温めるようになったのですから、医学的根拠があるわけです。
今までの蜂に刺されたら冷やす、は常識ではなくなりました。
まして、おしっこをかけるなんて・・・非常識!
2.なぜハチ刺されは温めるとよいのか?
蜂の毒は、ヒスタミンやセロトニンや細胞を破壊して毒の浸透を促進する
たんぱく質性の酵素毒成分です。
この酵素毒成分は、熱に弱い
タンパク質性なので、43℃以上になると
変成して酵素毒としての性質がなくなります。
43℃以下だと、かえって酵素毒が活性化して
よけい痛くなる可能性が・・・
46℃以上だと、やけどする可能性が・・・
従って、
酵素毒を非活性化するための
適温は、 43~46℃がgood。
ビニール袋、あるいはペットボトルにその程度の温度のお湯を入れて、
患部にしばらく当ててください。
やけどに注意です。
温度が42℃以下に下がらないように注意です。
シャワーが使えるなら、43℃以上やけどしない程度に
ぎりぎり熱めに温度設定しシャワーをかけ続けてください。
患部を温めるのは、ムカデに刺された場合、蚊に刺された場合でも同じです。
但し、アナフィラキシーショック
•意識もうろう
•めまい
•全身にじんましん
•嘔吐
•寒気
•呼吸困難
のような症状がでたら、一刻も早く病院に連れてってくださいね。
「炎症・痛みに対しては冷やせ!」というのが医学の基本中の基本でしたが、
数年前から、「昆虫毒には温めろ!」という医学書がでてきています。
医学的(科学的)裏付けは、上記のとおりです。
3.ハチの豆情報
問題です
1)人を刺すハチはオスでしょうか?メスでしょうか?
ハチの針は、産卵管が変化したものなので、針を持っているのはメスです。
従って、人を刺すハチはすべてメスです。
2)オスのハチは何しているの?
オスのハチは、巣の中でぶらぶらしているようです。
オスの一生のうちの唯一の仕事が、女王ばちとの交尾です。
交尾すると、生殖器官が体から外れてしまって死んでしまうそうな。
なんとも切ない、いいんだか悪いんだか考えさせられる一生です。
3)人を刺したハチはどうなるの?
ミツバチの針には返しというのがあって、人を刺すと毒の袋ごと針がハチのからだから外れ、そのハチは死んでしまいます。
ところがです、スズメバチの針には返しがないので、何度でも刺すことができるので、同じハチに何回も刺されたら悲劇ですね。
4)ハチは何で人を刺すんでしょうか?
蚊は、産卵のための栄養補給で人の血液を吸います。従って、蚊も人を刺すのはメスです。
ハチの場合、産卵は女王ばちのみで、栄養は巣の中にたっぷりあります。
従って、
ハチが人を刺すのは産卵のためではなく、ハチ自身や巣を守るために刺します。
5)ハチに刺されないためには?
ハチにさされないためには、
ハチの巣に近づかないこと、
うっかり遭遇してしまったら、刺激しないようにすることですね。
またハチは、黒い色に反応して攻撃するので、野山に出かけるとき、戸外で作業をするときは、白など明るい色の帽子や服装がいいでしょう。
春から夏のハチの繁殖の季節は、ハチ刺されには十分注意してくださいね。
刺されたら、今回の記事の対応です。