夫は失業し、
アル中になって、
私に暴力をふるい、
息子は家出、
借金取りも毎日きて、
両親も寝たきり
などと、人の不幸話、
テレビのワイドショーなどでよくやっていますよね。
あまり不幸話を見聞きしたくない反面、
ついつい見てしまったり、
芸能人のゴシップ記事が
ものすごく話題になったり、
週刊誌が飛ぶように売れたりします。
なぜ、このような現象がおこるかというと
◆人は、無意識に順位を気にして、
他人より上でいたいと思う生き物なんです。
人は、他人の不幸話を聞くと、
自分がそんなには不幸ではないと確認して、
実は幸せを感じています。
こういうのを心理学では、「下方比較」
と呼んでいます。
逆に、
「あの人はすごい、自分もああなりたい」
と、自分より上の人と比較するのが、上方比較です。
自分より下の人を比較して幸せや優越感を感じる
「下方比較」は、あまりかっこよくないように
思いますが、
◆不幸や不運に襲われて落ち込んだときは
積極的に下方比較することで
気持ちが回復しやすくなる
ので、心理学的には、とっても有効な手段です。
身近な自分より不幸な人を思い浮かべてみてください。
もしいなければ、昔は売れていたけれど、
今はどん底の芸能人とかもいますよね。
何人か思い浮かべてみてください。
「あの人よりはまだ、いいか・・」
私どもの診療所に来る患者さんで、
病気で落ち込んでいる場合には、
同じ病気でも、もっとひどい人の話をしてあげます。
そうすると、
「わたしは、まだいい方ですか。」
と、ちょっと元気になってくれます。
そうやって、できるだけ早く落ち込みから回復して、
次の行動に移せれば、また状況は変わってきます。
落ち込んだままで、何も行動を起こせないと、
状況は、なかなか変わらないと思います。
下方比較することは、人間の本能なので、
自己嫌悪にならなくていいと思います。
一時的な回復の手段として、
うまく使えばいいのです。
でもそのあと、
おそわれた不幸や不運を逆に
人生の糧として頑張っていけばいいと思います。
アメリカの大富豪に
「あなたが大富豪になれたきっかけを教えてほしい。」
とアンケートをとったところ、
ベスト3が
1.病気
2.失恋
3.前の会社の倒産
だっということです。
落ち込んでも、それをきっかけに
一歩でも半歩でも、
こつこつ毎日行動をおこせば、
必ず、何かしらの伸展は見られるはずです。