年金問題、老後の生活がかかっているので、皆気になりますよね。
年金の運営については、5年に1回「財政検証」というもので発表されます。
今年がその年だったんですが、
今年は、あの金融庁の発表と参議院選挙が重なって、
発表が3カ月送れました。
悪条件というのが、
金融庁の発表というのが、
あの「年金だけでは、老後資金が2000万円不足する!」という発表。
年金だけでは、足りないと皆感じているとは思いますが、
金融庁から具体的な数字で2000万と言われると、
私も含めて、多くの高齢者は不安がつのりましたよね。
その不安を解消しようと、年金の財政検証が色々再計算されたようですが・・
その財政検証を検証したいと思います。
1.「所得代替率50%を維持」の真実と問題点
「所得代替率」とは、
夫婦2人の年金合計額が、
現役男性サラリーマンの平均給与(手取り)の何%かを示すものです。
今の年金制度の基礎は、あの小泉進次郎の父親
小泉純一郎元総理が、2004年に
「年金額は将来にわたって、
現役世代の給料の50%を下がらないことを約束します」、
と約束してくれてます。
なので、50%を割れば公約違反ということになります。
今回の財政検証では、物価や賃金の伸び率が違う6つのパターンで年金検証、
経済成長が実現すれば、
ぎりぎり所得代替率50%を維持できるとしていますが・・
この経済成長も怪しい感じですが・・・
◆所得代替率50%の真実と問題点
◎2019年現在、
現役男性サラリーマンの平均手取り収入は
月額35万7000円
今年から年金支給が始まった夫婦の年金合計は
月額22万円
所得代替率は約62%です。
◎2047年、物価上昇を 年に1.2%
賃金上昇率を年に1.1%と仮定すると
現役男性サラリーマンの平均手取り収入は
月額47万2000円
年金支給顎は
月額24万円
所得代替率は約50.8%です。
年金が22万から24万に増えていると喜んでいけません。
この仮定では物価も上昇しています。
所得代替率50%を現在の水準で考えると、わかります。
現役で手取り35万7000円の
所得代替率50.8%では
年金額は18万1000円
現在の年金支給額よりも、4万近く減る計算です。
金融庁の発表では、老後30年間に2000万円必要とありましたが、
月々では約5万5000円不足との試算で、
所得代替率50%では、月々9万5000円の不足、
30年間では3400万円足りなくなる計算です。
▲物価と賃金上昇で、所得代替率50%が維持できたとしても、
老後資金の不足はさらに加速します。
2.「厚生年金加入適用拡大で年金が増える?」の真実と問題点
現在のパートやアルバイトは、
・社員501人以上の企業
・週20時間以上勤務
・月収8万8000円以上
・雇用契約期間1年以上
だと、厚生年金に加入しないといけない仕組みです。
これにあてはまらない、
夫の扶養になってる20歳~60歳未満で
1年間の収入が130万円未満の場合は、
「第3号被保険者」とよばれて
年金の保険料を払わなくても、65歳から国民年金がもらえます。
そこで厚労省は考えました、
この第3号被保険者のパート妻にも、厚生年金に加入してもらって、
年金の保険料を集めよう!と
宣伝文句は、「厚生年金に加入すると将来の年金額が増えますよ!」です。
そのために、厚生年金加入の義務条件を拡大する考えがあります。
・社員501人以下の中小企業
・月収5万8000円以上
・雇用期間1年未満
第3号被保険者のパート妻が厚生年金に加入して得になるのでしょうか?
ここに落とし穴があります。
現在もパート妻の130万円の壁って言われますが、
年収が129万円のパート妻では、年金保険料が0円で、
所得税と住民税合わせて5万円弱程度が手取りが減りますが、
年収が130万円になると、年金と健康保険料もセットで引かれて、
手取りはすべて合わせると20万円程減ることになります
▲厚生年金加入拡大で、将来もらえる年金額は多少増えるかもしれませんが、
手取り収入が減るので、収入を増やさないとメリットはありません。
3.「75歳まで働けば年金2倍!?」の真実と問題点
現在、基礎年金の加入義務期間は、20~60歳ですが、
これを65歳まで延ばす。
さらに年金の加入年齢の上限を70歳から75歳に延ばす。
と所得代替率が上がって、もらえる年金が増えますよ!
と厚労省はPRしてます。
▲年金加入期間が長くなって年金は増えるかもしれないけど、
年金を支払う期間も長くなるので、+-どのくらい得になるか不明。
さらにさらに、
年金を受け取る年齢を遅らせる「繰り下げ受給」すると
70歳まで繰り下げると、年金は42%増
75歳まで繰り下げると、年金は84%増
と繰り下げ受給を勧めますが、
◆繰り下げ受給は、年金額は増えるかもしれませんが、
70歳や75歳まで年金がなくても生活できる人に限られるし、
70歳、75歳受給では、もう先の寿命があまりないかもしれないし、
健康ではないかもしれません。
まとめ
2019年の年金財政検証では、標準的に経済成長すれば、現役時代の50%を維持と
していますが、順調に経済成長すればの話です。
しかも、現役時代の50%の年金では、生活は厳しいですね。
さらに、年金納入期間を延ばしたり、
年金支給年齢を遅らせたり、
現在厚生年金を義務化していないパートやアルバイトにも
納入を義務化しようとしています。
年金の運営は厳しいものになっているのですが、
次回5年後はもっと厳しいものになっていると思われます。
今の年金運営状態では、貧乏人は、
一生働かないと生活できないレベルになってきている感じです。