「深い呼吸」は、
免疫力を高めたり、
冷えや肩凝りを改善したり、
やせるためにもいいですね。
でも、深い呼吸がからだにいいと思っていても、
なかなか意識しないとできません。
意識したとしても、なかなか深くできなかったりします。
胸式でなくて腹式呼吸にしたいと思っても、やり方がよくわからなかったりします。
そこで今回は、深い呼吸ができるようになるために、
とても簡単で効果的な方法を説明します。
と、その前に、呼吸はどう行われているか理解しておくと、
どうしたら深い呼吸ができるか、理解しやすいと思います。
1.呼吸のしくみ
肺は、実は、自力では動くことはできないんですね。
「え~、じゃーどうして呼吸するの?」
と思いますが、すばらしい呼吸の仕組みがあります。
肺に空気を出し入れするのは、
肺の周りの「肋骨」やそれについた「筋肉」、
また、一番大切なのは「横隔膜」です。
横隔膜は、胸部と腹部を仕切るようにある分厚い層状の筋肉です。
息を吸うとき
①肋骨についている筋肉が収縮して、肋骨の間の距離が短くなり、
上下に並んだ肋骨は、提灯のじゃばらが縮むような形で
上に引き上げられます。
②横隔膜は、収縮して、下に引き下げられます。
③そうすると、胸の中は広げられて、容積が最初より大きくなります。
④そうすると、胸の中の圧力が外の圧力より低くなります。
⑤そうすると、肺の中に、外の空気の圧力と同じになるまで、
空気が入ってきます。
息を吐くとき
①肋骨についている筋肉が弛緩して、肋骨の間の距離が戻り、
上下に並んだ肋骨は元の位置にもどります。
②横隔膜は、弛緩して元の上方の位置にもどります。
③肺が縮められ、肺から空気が外にでます。
肺を収めている肋骨や横隔膜が十分に動くことで
肺が酸素を取り込み、二酸化炭素を出すことが可能になります。
ということは、
肋骨やそれについている筋肉の動きが悪いと、
呼吸が深くならないことがわかりますね。
さらに、横隔膜については、大切なことがあります。
横隔膜は、お腹周りの筋肉と内臓にフタをしたようなものです。すると、
横隔膜は、お腹周りの筋肉や内臓が硬かったりしたら、
十分に下に下がることができず、
呼吸も深くできません。
たとえば、妊婦さんは、お腹が大きくなってくると、呼吸が浅くなって
息切れ・動悸がでやすくなりますよね。
また、食べ過ぎでも胃が横隔膜を圧迫して呼吸が苦しくなりますよね。
2.深い呼吸をするために必要なこと
つまり、深い呼吸をするためには、
◎肋骨や肋骨に付いている筋肉を柔らかく、
動きを良くすること。
横隔膜を良く動かすために、
◎お腹周りの筋肉や内臓を柔らかく、
動きをす良くすること。
と言っても、
肋骨に付いている筋肉や横隔膜を動かすために腹筋を鍛えるのは逆効果です。
これは、実際にやってみるとわかります。
通常の腹筋運動、仰向けに寝て、上体を起こす運動を10回ほどやってみてください。
そのあとに深呼吸をしてみてください。
腹筋が硬くなっていて、息が吸いにくくありませんか?
筋力アップを頑張ると、筋肉がかえって硬くなってしまいます。
筋肉をまずゆるめるようにしてみてください。
3.深い呼吸をするための方法
①肋骨と肋間筋の動きをよくする
肋骨の間には「肋間筋」と呼ばれる筋肉があります。
肋間筋が硬いと当然肋骨の動きが悪くなり、胸郭が大きく広がらないので、
肋間筋をゆるめるとよいです。
肋間筋のゆるめかたですが、
(その1)
・からだを側屈させて、肋骨の横の部分をストレッチする
・左右やってみて、やりやすい方を何回か行う。
(やりやすい方をやるのは、以前の記事で書きましたが、この方が効率がいいのです。)
ストレッチが終わったら、深呼吸をしてみてください。
呼吸が楽ではないですか?
(その2)
・これは、「骨ストレッチ」というストレッチ方法を指導されてる松村先生考案の方法で
す。
「マグロの中落ちストレッチ」
と名付けられています。
マグロの中落ちは、マグロの骨と骨の間の身を、スプーン等でそぎ取って食べるものですが、それになぞらえて、肋骨と肋骨の間の筋肉をそぐようにゆるめるので、そう呼んでいるようです。
やり方は、両手を握って、拳を作り、拳のぐりぐりしたところで、肋骨を上下にぐりぐりと
マッサージします。
今まで味わったことのない新感覚だと思います。
最初は、とてもくすぐったい、とても痛かったりして、あまりできないと思います。
でもそれは、肋間筋が硬くなっている証拠です。
毎日ちょっとずつ行って痛いところ、硬いところをさがしてまんべんなくやります。
一週間もすれば、肋間筋もゆるんでだいぶ痛くなく、気持ちよくできるようになると思います。
それとともに、胸郭の動きが良くなって、呼吸も深くなったのを実感できると思います。
②横隔膜の動きをよくするために、腹筋をゆるめる
・仰向け、膝立てて寝る。
・手指先で、お腹の硬くなっているところを
息を吐きながら、押し込んでゆるめる。
◎まとめ
以上、肋骨と肋間筋、横隔膜の動きを良くする方法を続けると
驚くほど、呼吸が深く出来るようになるのを実感できると思いますよ。
是非、試してください。