長年、自然療法で色々な病気の治療指導をしています。
今回は、子宮脱・膀胱脱・直腸脱の話です。
中高年になると特に女性の方では、内臓が下垂してきて、
子宮や膀胱、直腸が外にでてきてしまうことがあります。
最初わからないと、「何これ?」って、驚くかもしれません。
私達の診療所にも、これらの内臓下垂で困っている方が受診します。
重症になると、つり上げる手術をしたり、
子宮脱では子宮を摘出したり、
誰も手術なんてしたくありませんよね。
軽度であれば、「骨盤底筋を鍛えましょう」とか言われて、
骨盤の下の方にある筋肉を鍛えて悪化を防ごうとします。
でもそれだけでは悪化は防げない感じです。
ではどうしたらいいかというと、
そもそも、どうして子宮や膀胱や直腸が外にでてくるのかを知ることが必要です。
目次
★大事なのは姿勢
骨盤内の子宮・膀胱・直腸が外に出てくるのは、骨盤底筋が衰えてくると起こってきます。
骨盤底筋って、文字通り骨盤の底にある筋肉をまとめて呼んでいます。
骨盤底筋は、子宮や膀胱、直腸など骨盤の上にある臓器を下から支えているので、
内臓支え筋とも言えます。
骨盤底筋は、加齢でも弱りますが、
姿勢が悪いことで骨盤底筋の働きが悪くなります。
★姿勢が悪いと、もろに骨盤内臓器に圧力がかかる!
骨盤内の臓器が下垂して外にでてくる人はたいてい、
背中が丸くなって、
お腹がぺちゃんと引っ込んでいます。
骨盤が後ろに倒れています。
そうなると、骨盤はロート状になっているので、
骨盤の下方に尿道口、子宮口、肛門の穴が下にきて、
上からの圧力がもろにかかり、
臓器が出やすくなります。
★姿勢が悪いと骨盤底筋の働きが悪くなる!
骨盤底筋は、背中の方の筋肉と連動しているので
姿勢が良ければ、骨盤底筋は背中の方の筋肉群に引っ張られてピンとして
よく働きますが、
姿勢が悪いと、背中の方の筋肉から引っ張られることが少なくなって
たるんだ状態になります。
その状態では、骨盤底筋の働きが悪くなり、
臓器が出やすくなります。
では、どうしたら改善や予防ができるかということですが・・
★子宮・膀胱・直腸の臓器脱の改善と予防に役立つ3つのこと
①姿勢を良くすること!
姿勢が悪いと、骨盤内臓器にもろに圧力がかかって、からだの外に出やすくなる
と言う話をしました。
逆に姿勢を良くすると、骨盤内臓器にかかる圧力が減り、臓器脱の悪化を防いだり、予防になります。
姿勢を良くするとは、どうすればいいかということですが、
「骨盤を立てることです。」
骨盤を立てるとは、お腹を前に出して、お尻を後ろに突き出すイメージです。
そのとき、背中は反らないで、まっすぐにします。
お腹の筋肉が伸びて、背筋がまっすぐになります。
お腹を伸ばすことで、内臓が引き上げられます。
姿勢を良くすることで、内臓にかかる圧力が軽減されます。
また、姿勢を良くすることで骨盤底筋も引っ張られ、働きが良くなります。
②呼吸法
呼吸をすると、横隔膜が上下します。
横隔膜と骨盤底筋は連動していて、
息を吐いたときに、横隔膜は上がって、
それと供に、骨盤底筋も引き上げられます。
意識して、息を大きく吐くことを行えば、
骨盤底筋を引き上げることにつながります。
ただし、呼吸法を行う場合も、①の姿勢を良くすることがポイントです。
③骨盤底筋の強化
骨盤底筋の強化の場合も、①の姿勢を良くすることがポイントです。
姿勢が悪いと、骨盤底筋の強化を行っても、効果が落ちます。
良い姿勢をとった上で、肛門をしめる感じで5秒間耐えます。
これを続けて5回、
できれば朝晩行うとよいでしょう。
または、トイレに行ったときに行うように習慣づければ、
忘れずに続けられますね。
◎まとめ
自分でできる、子宮脱・膀胱脱・直腸脱の改善方法と予防方法は、
・姿勢を正すこと
・呼吸法
・骨盤底筋の強化
です。