中高年になってきて、
からだを動かすのがしんどくなってくると、
筋力が落ちてきたせいと考えて、
「筋力アップしなければ」と、
ジョギングを始めたり、スポーツジムに通ったりしているのではないでしょうか?
でも、筋トレが好きな人は続けられますが、
私のように筋トレが好きではない場合は、苦痛です。
さらに、筋トレは逆にからだを痛める可能性があります。
自分の体験ですが、
中年になっていた私は
10年くらい前に、体力が落ちてきたので、
からだを鍛えようと、
小学生に混じって少林寺拳法を習い始めました。
準備運動で、腹筋にスクワットに腕立てなどの筋トレと
最初のうちは、いろいろな型を習得していくのが楽しかったのですが、
徐々に、筋肉が悲鳴をあげてきました。
今まで使ってなかった筋肉を過度に使うと、
筋肉が痙攣を起こして、突然ぎゅ~っと収縮するんです。
自分の場合は、まず腰にきました。
ぎっくり腰は、何か動作をしたときにぎくっときますが、
この急に使いすぎた筋肉は、
じっとしてても、突然、「ぐわ~っ!!」ときて激痛で動けませんでした。
この発作が、周期的にきます。
電車に乗っていてこの発作がきて、
一歩も歩けなくなり、降りられなかったことがあります。
寝ているときも、周期的にこの激痛が襲ってきて、
しばらく熟睡できませんでした。
「もう勘弁して下さい・・」って神頼みしたくらいつらかったです。
陣痛ってこんな感じなのかなって家内に言ったら、
「何言ってんの、そんなもんじゃない」と一蹴されましたが・・。
この筋肉の痙攣が治るまで、何ヶ月もかかっています。
筋肉主導でからだを鍛えようとすると、中年のからだにはとてもこたえました。
4年くらい前ですが、
今度は、システマというロシアの武術に出会います。
システマのからだの使いかたは、いままでの武術と真逆でした。
姿勢は崩れないように、背骨をまっすぐに保つのですが、
あとは、全身脱力っていう感じ、
できるだけ余計な力は抜いて最小限の筋力でからだを動かします。
相手に打撃もしますが、力ではなくて、
脱力して、からだの重みを相手に伝える感じです。
その威力が半端ないんです。
力づくのパンチよりも、相手のからだの重み全体が「ずっし~ん」と伝わってきて、
おもわず「うっ」とうめいて、動けなくなります。
でも、打撃される方もできるだけ脱力していると、打撃の衝撃が吸収され、
しばらくすると、逆にからだの緊張がよけい取れて変な快感があります。
システマのような脱力系の武術では、ひどい筋肉疲労や痙攣も起こすことはなく、
からだがとても軽く動くようになりました。
これらの自分の経験からも言えることですが、
からだを楽に軽快に動かすためには、第一には筋力ではないということ。
逆に
「からだの動きをじゃましている余計な筋肉の力を抜くこと」
これが大事だと思っています。
では具体的に、からだの動きをじゃましている筋肉を脱力させる方法です。
1.骨格のポジション(姿勢)
日頃の生活では、あまり意識しませんが、
地球上で生きている限り、
私たちのからだには重力がかかっています。
この重力に対抗して倒れまいと私たちのからだはバランスをとっています。
このバランスの取り方に、「骨格でバランス」をとる方法
「筋力でバランス」をとる方法があります。
筋力をあまり使わないのは、骨格バランスで、
筋力を使うのは、文字通り筋力バランスです。
姿勢が悪いと、からだのバランスをとるのに筋力で支えなければなりません。
例えば、猫背だったり、腰が曲がっていたりすると、
首や頭が前方に出るので、その重い頭を支えるのに首や背中の筋肉を非常に使います。
重力に対抗してバランスをとるのに、
できるだけ筋力を使わないためには、
正しい骨格のポジション(姿勢)をとる必要があります。
一般的によく言われている正しい姿勢というのも、
出典:肩こり百科http://www.katacori.com/preventive/posture.htm
実際にやってみるとわかりますが、
からだのあちこちの筋肉が緊張しているのがわかり、
しばらく立っていると、すごく疲れるのがわかります。
骨格バランスではなくて、筋肉でバランスをとっている姿勢ですね。
見かけ上、地面から垂直なので正しい姿勢、重力に対してバランスが取れていると
錯覚させられますが、
人間の脚って、足の中央からでているわけでなく、踵からのびているし、
背骨は直線上でなくて、湾曲しているし・・、
人間のからだのバランスが取れる姿勢は、
重心は、踵の位置ではありません。
重心は、土踏まずのやや前の方に落ちる姿勢です。
この姿勢が、骨格でバランスがとれる姿勢。
つまり、あまり筋力を使わないで立っていられる姿勢です。
この骨格ポジション(姿勢)がとれていれば、
動きを邪魔するムダな筋肉が使われていないので、
いざ動く場合に、軽快に楽に動けるわけです。
このポジションをとるには、
つま立ちをして、踵を5~6回上げ下げしてから
軽く踵を落とした姿勢をとるといいです。
骨格バランスがとれていれば、
他人に両肩に手をかけてもらって押し下げられても
びくともしません。
関連記事があるので参考にして下さい。
→→合気道などの武道に学ぶ、日常生活で、からだの動きがトッテモ楽になる姿勢とは?
(記事は、次回に続きます)