秋から冬にかけて、
だるくなったり、気持ちが落ち込み、元気がなくなったり
そんな人いるんじゃないかな。
もしかしたら、「季節性のうつ病」かもしれないよ。
でも、効果的な治し方があるから、
今回は、季節性うつ病と治し方について説明するね。
1.季節性うつ病とは?
うつ病は知ってると思うけど、
季節性うつ病は、知らない人がいるかもしれない。
これはね、季節の温度変化で起こる訳ではなくて
「日照量」が原因なんだよ。
秋から冬にかけては、夏に比べて日照量が減ってくるね。
日照量が減ると、何でうつ病になるかというと、
脳内の神経伝達物質の「セロトニン」が関係しているんだ。
日光を浴びると、セロトニンが脳内で盛んに分泌される。
セロトニンは、幸せホルモンと呼ぶ人もいるくらい、
心地よさや満足感や落ち着きを感じさせてくれるし、
気持ちを安定させてくれるホルモンなんだ。
でも、日照量が減ってくると、セロトニンの分泌が減ってきて、
人によっては、気分が不安定になってくる。
ひどい人は、うつ病までなってしまう。
日本では、沖縄や九州では少なくて、
日照量の少ない、東北や北陸の日本海側に患者は多いそうだ。
ヨーロッパ、特に北欧なんかでは、日照量が少ないから
うつになる人がとても多いようだ。
2.季節性うつ病の治療方法は?
うつ病の治療というと、すぐ抗うつ剤を考えるかもしれないけど、
僕は、あまり勧めないね。
根本的に治している訳ではないから
季節性うつ病の原因は、セロトニンの不足だから、
セロトニンを増やしてあげればいい。
セロトニンの分泌を増やす方法はいくつかあるけど、
一番はやはり、
◎明るい光を浴びること
これは、病院でも「高照度光療法」ってあるんだけれど、
オフィスの明るさの20倍くらい明るい白色灯の光を毎日30分くらい
目をつぶって、顔に当てる。
家庭じゃそんなに明るい光はないから、
天気の良い日は、できるだけ戸外で、太陽の光を浴びることだね。
◎軽い運動もセロトニンを増やす
うつっぽいと、からだを動かすのもおっくうかもしれないけど、
歩くだけでもいいから、からだを動かすといいよ。
それも、夜歩くんじゃなくて、日光を浴びながら歩くと効果的だ。
◎腸を温めてセロトニンを増やす
腸でもセロトニンは作られるけど、からだやお腹が冷えていると、
セロトニンの生成が減ってしまう。
からだや腸を良く温めることも、セロトニンを増やすのに有効だ。
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3.季節性うつ病の治療例
僕の働いてる診療所では、病院の光療法とはちょっと違うけど、
明るい光を当てながら、温める治療をしているよ。
季節性うつ病が良くなった例を紹介するね。
<34歳の男性>
174㎝、70㎏のちょっと太り気味の会社員。
映画会社でセールスの仕事をしている。
冬に北欧に仕事で行っていたら、急に食欲無くなって、落ち込んできた。
だんだん判断力もなくなってきて、
これはまずいと思って、脳を調べたけど異常なし。
からだも特に悪いところなくて、
最終的に心療内科で、「季節性うつ病」って診断された。
抗うつ剤を3回変えたけど、あまり効かず。
でも春になって、徐々に回復した。
今年も冬になって、食欲が落ち、落ち込んで、朝も起きられない。
うつ病再発だ。
また抗うつ剤を飲み始めたけど、すっきりしない。
今年は、1カ月後に結婚式をひかえていて、
延期もすべきかほんとに悩んでいたんだ。
たまたま人の紹介で、
僕の診療所を受診して、光治療と温熱治療を受けた。
日頃も、できるだけ日に当たるように、
軽い運動をするように指導した。
治療4~5回目ぐらいからかな、
気分が良くなってきたようで、表情が明るくなってきた。
仕事も休んでいたけど、復帰できた。
結婚式は、満面の笑みで無事にできたと喜んでいたね。
ほんとうに良かった。
◎まとめ
秋から冬になって、何となく元気がでない、気分が良くない人は、
セロトニンの不足だから、
できるだけ、日にあたったり、からだを動かしたり、腸を温めるといい。
僕も、暗いところが長いと気持ちが沈むので、
通勤するときにも、地下鉄は使わないようにしている。
また、電車で立っているときは、太陽のある明るい方を向いて立っている。
昼休みは、日光浴をしながら散歩しているよ。