子供のインフルエンザで怖がられているのは、
インフルエンザ脳症だと思います。
インフルエンザ脳症は、
インフルエンザで発熱から2日以内に発症します。
けいれん
異常行動
意識障害を起こし、
後遺症を残す場合もあります。
死亡率も30%と高いです。
発症は5歳未満の幼児に多いです。
インフルエンザ脳炎の病名のせいで誤解されていますが、
インフルエンザにかかったときだけにおこるわけではなくて、
他のウィルス感染(はしか・おたふくかぜ・みずぼうそう)
でも、起こります。
インフルエンザのときに起こると、
インフルエンザ脳症と呼ばれます。
しかし、
◆インフルエンザウイルスが
脳に入って脳症を起こすわけではありません。
インフルエンザ脳症になったお子さんの脳からは、
インフルエンザウィルスが見つからないし、
炎症も起こしていません。
◆インフルエンザ脳症の原因は、
はっきりわかっていません。
ところが、1998年~2004年にかけての
厚生労働省の
「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学研究」で
◆一部の解熱鎮痛剤が
脳炎の原因のひとつになっている。
ことがわかりました。
これにより、2000年に
小児のインフルエンザの場合、
一部の解熱剤の使用が制限されました。
乳幼児に対するインフルエンザワクチンの有効性ですが、
日本小児科学会のホームページによると
引用
1) 1歳未満児については対象数が少なく、有効性を示す確証は認められなかった。
2) 1歳以上6歳未満児については、発熱を指標とした有効率は20-30%となり、接種の意義は認められた。
(中略)
・ インフルエンザ脳症の発現率を減少させるかどうかについては、「インフルエンザ脳症の発症因子の解明と治療および予防方法の確立に関する研究」(主任研究者:森島恒雄)の成績(中間報告)では脳症患者とインフルエンザ罹患者の間でワクチン接種率に有意な差はなかったとしており、この段階ではインフルエンザ脳症の阻止という点でのインフルエンザワクチンの有効性は低いと考えられる。しかし、インフルエンザ脳症はインフルエンザ罹患者に発症する疾患であるところから、インフルエンザ罹患の可能性を減じ、その結果として脳症発症の可能性のリスクを減じる可能性はあり、ワクチン接種の意義はあるものと考えられる。
引用おわり
と、有効性は低いが、ワクチン接種の意義はあるとの見解ですね。
乳幼児の場合は特に、
インフルエンザワクチンの副作用も心配です。
有効性の低いこのワクチンを接種するかどうか
検討の余地があると思います。