現代では、スマホの普及で、通信はメールやlineなど、
スピーディーで便利にはなりましたが、
情緒や季節感が薄れてしまった気がします。
もともと、日本人は季節感を大切にする民族で、
日本語には季節感を表す素敵な言葉が
たくさんあります。
今回は、6月に手紙に出す場合のあいさつ文の文例と、
6月の季節感を表す言葉と、その文例を紹介します。
SNSでも、季節感あふれる素敵な言葉を使ってみると素敵だと思います。
6月のあいさつ文
6月のあいさつ文の文例です。
梅雨入りの頃になるので、入梅の話題になりますよね。
A:連日の雨で、気が滅入ってしまうこのごろですが、
いかがお過ごしでしょうか。
B.今年は梅雨入りしたものの、雨が少なく空梅雨のようです。
C.梅雨入りが間近で、今から憂うつな気分になっています。
6月の季節感あふれる素敵な言葉と文例
◆真珠星
6月上旬に南の空に白く明るく見える星が
乙女座のスピカで、和名が真珠星です。素敵な名前です。
文例:南の空に、真珠星がよく見える季節となりました。
◆姫女苑(ひめじょおん)
花のヒメジョンを漢字で書くと、姫女苑。
美しい漢字ですね。
ヒメジョンは6月~10月に咲きます。
春のハルジオンととても似ています。
文例:ハルジオンからヒメジョンに、季節はいつの間にか移り変わっていました。
◆麦嵐
初夏の麦が実る頃の強い風のことです。
発泡酒のネーミングに使えそうです。
文例:日に日に日差しが強くなる今日この頃。麦嵐が心地よく感じられます。
◆蜜月
ハネムーンを和名にすると、蜜月。
何だか色っぽい言葉です。
ハネムーンは本来新婚旅行だけでなく、新婚間もない頃もさします。
文例:ジューンブライドの幸せなお二人。蜜月の時期を大切にしてくださいね。
◆早苗田
夏は田んぼが生き生きと見える季節です。
早苗田とは、田植えが終わった田んぼのことです。
田植えのあとの田んぼって、とてもきれいですよね。
文例:電車の窓からみずみずしい早苗田が見える季節になりました。
◆石榴(ザクロ)
ザクロは初夏に、朱に近い色の花をたくさん咲かせます。
ザクロは実があざやかですが、花もあざやかなんですね。
文例:ザクロの朱色の花があざやかです。梅雨入りも近いようですね。
◆てるてる坊主
晴天を祈って下げるものですが、江戸の中頃からの風習のようです。
てるてる坊主って、ほんとかわいいですよね。
文例:梅雨どき、てるてる坊主が誇らしげにぶら下がっていました。
◆麦日和
麦蒔きにいい日和または、麦の刈り入れにいい日和をさします。
これも発泡酒の名前みたいですね。
麦刈りは、5月の初めから6月の初め頃です。
文例:梅雨のうっとおしい日々が続いていましたが、今日は麦日和となりました。
◆梅の雨
梅雨という言葉は中国からきたものですが、
それを日本語読みにすると
梅の雨ということになります。
”の”が入っただけで、ずいぶんたおやかな感じになりますね。
文例:ひと雨ごとに梅の実が色づいています。まさしく梅の雨の季節です。
◆梅明り
梅雨の雨が上がって、夕方うっすら差し込んでくる光を言います。
雨で濡れた景色と光の情景が目に浮かびます。
文例:梅雨の激しい雨がうそのように上がって、梅明かりの空心がなごみます。
◆七変化
役者が次々と衣装を替えながら演技をするのを七変化といいますが、
紫陽花(あじさい)も色を変えることから、七変化とよばれることがあります。
文例:紫陽花がそこかしこを彩る季節となりました。
雨でも七変化を楽しめそうです。
あとがき
6月の季節感をあらわす言葉って、色々あるんですね。
どれも素敵な漢字だったり、響きだったりします。
とても心に響いて、揺さぶられる気がします。
せっかくの美しく素敵な日本語、使わないのはもったいないです。
この美しい言葉で、手紙やメールでも、相手に伝えたら、
お互いに、なんだかやさしい気持ちになれそうです・・・