昨年、私の父が亡くなって、今年初めてのお正月です。
近親者が亡くなった場合、初めてのお正月は初詣は行ってはいけないとか
明けましておめでとうは言えないとかは、何となくわかりますが、
ほんとはどうなのかよくわかりませんでした。
親しいお坊さんにもそのへんを聞いてまとめてみました。
1.新年のあいさつは?
仕事関係の人とか、自分が喪中であることを知らない人から
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
とふつうあいさつされると思います。
そこで、実は私は喪中なので・・・
という必要はなく、
「昨年はお世話になりました。 今年もよろしくお願いします。」
で、いいと思います。
自分から「おめでとう」を言わなければ、いいわけです。
相手から、言われる分は大丈夫で、
喪中なので、おめでとうではないんですと言う必要はありません。
逆の立場で、相手が喪中と知っていた場合は
「あけましておめでとうございます」を省いて
「昨年はお世話になりました。 今年もよろしくお願いします。」
でいいと思います。
2.年賀状が来てしまったら?
喪中ハガキを出しているので、大半からは年賀状は来ないと思いますが、
喪中ハガキから漏れた人から、年賀状が何通か届きました。
そういう場合は、
門松をしまう「松の内」(1月7日)を過ぎてから、 立春(2月4日頃)までの間に、
寒中見舞いを出すといいです。
簡単な文例は
”寒中お見舞い申し上げます。
喪中のため、年初のご挨拶を遠慮させていただきました。
本年もどうぞよろしくお願いします。”
3.おせち料理は?
おせち料理は、そもそも新年の祝いの料理なので、控えた方がよさそうです。
わざわざおせち料理にしなくても、同じ食材で料理して普通に食べればいいわけです。
4.初詣は?
初詣は神社が多いと思いますが、
喪中の場合、 神社によっても違うようです。
どうしても初詣をしたいと言う場合は
行かれる神社に聞いてみるといいと思います。
基本的には忌があけたら、神社への初詣も問題ないと言われてます。
その忌があけると喪があけるの違いも理解していませんでしたが、
あとで書きますね。
お寺に初詣ですが、
お寺は、死を「けがれ」ととらえてないので、
お寺に参拝することは特に問題ないとのこと。
そもそも初詣は神社で行う神事で、お寺では初詣はないわけです。
なので、喪中でどうしてもお正月お参りしたい人は、お寺に参拝すればいいわけです。
なお、浄土真宗とキリスト教、他にも色々喪中が関係ない宗教はあると思いますが、
その場合は喪中の考えはないので、初詣は問題ありません。
5.忌中と喪中
「死は穢れ(けがれ)たもの」と日本では古くから考えられています。
その穢れを祝いの場へ持ち込まない、殺生をしてはいけない期間のことを
「忌中」(きちゅう)と呼んでいます。
一方、「喪中」は死者を思いしのぶ期間です。
忌中や喪中の期間は、実は江戸時代の徳川綱吉の定められ、
明治時代にも引き継がれ、「服忌令(ぶっきりょう)」と、
法律で決められていました。
亡くなった人 忌中期間 喪中期間
父母 50日 13カ月
夫 30日 13カ月
妻 20日 90日
祖父母 30日 150日
しかし、この「服忌令」は昭和22年に廃止されています。
なので、忌中や喪中にしばられることはないわけです。
その名残がまだあるために、近親者が亡くなった場合、正月の迎え方に
色々制約があるのでは、と思われているようです。
親しいお坊様の話でも、現在の日本は昔と違って宗教観も薄いし、
故人に対する親族の気持ちで、正月の過ごし方に特に制約はなくていいのでは
ということでした。
◎まとめ
「喪中」の正月の過ごし方は、実は
過ごしたいように過ごしても別に制約はない。
ということです。
故人がにぎやかな正月が好きだったら、にぎやかな正月でもいいわけで、
故人に対する思いが深くて、ずっと喪に服していたい場合は、そうした方がいいです。
ただ世間一般的には、
喪中の初詣と年賀状は控える雰囲気はまだあるので、
それだけは従った方が、無難かと思います。