歯周病予防や進行を抑えるのには、歯磨きが大切なことはわかっています。
でも、どのタイミングで歯磨きをするのが、歯周病には有効なのかはよくわかっていないですよね。
そこで、歯周病に有効な歯磨きのタイミングと正しい磨き方を解説します。
1.いつ歯を磨くのがいいのか?
歯磨きは、かつては、「1日3回3分間」と言われていました。
そして、食後すぐ磨くのがいいと思っている方が多いと思います。
ただ最近では、食後すぐは、口の中が酸性になっていてエナメル質が溶けやすいので、
食後、少し時間をおいてから磨いている方もいると思います。
でも食後の歯磨きは、韓国と日本だけの習慣と言われています。
「へえ~そうなの!」って驚きますよね。
世界的には非常識な習慣です。
どうしてそうなったかというと、歯磨きメーカーのキャンペーンです。
「毎食後3分以内に、3分間、1日3回歯を磨こう」
という虫歯予防のためのキャッチフレーズとともに展開されたキャンペーンが始まりで、それに歯科医師会や厚労省ものっかったということです。
それで効果がでているかというと、
歯周病については、日本人の8割が感染していると言われているし、
日本人では高齢になるに従って、歯周病で歯を失っている人がどんどん増えています。
つまり、歯周病に対しては、歯磨きの効果はでていないということです。
では、いつ歯磨きをしているのかとうと・・
「他の国では、寝る前と起床後に歯磨きをします。」
なぜかというと、歯周病の悪化原因は、
食べかすをエサにして最近が作るプラークが原因ですが、
そのプラークが増えるが、寝ている時だからです。
寝る前にしっかり歯を磨いて、プラークが増えないように予防し、
起きたときに、増えているであろうプラークをそぎ落とすためです。
日本人の場合、食後に歯を磨いていても、
●プラークを意識した正しい磨き方になっていない
●歯磨き粉にごまかされて、正しく磨けていない
ということもあると思います。
2.歯周病予防の正しい歯磨きのしかた
歯周病予防や進行を抑えるのには、
諸外国のように、
◎起床後と寝る前に、しっかりプラークを落とすことを意識して歯を磨くこと
正しい歯の磨き方は、次の動画を参考にしてください。
また、歯周病予防では、歯と歯の間など、プラークがたまりやすいところも
きれいにする必要があります。
そのために、デンタルフロスや歯間ブラシを使います。
◎食後に歯磨きをする場合は、プラークのえさとなる食べかすを落とす目的で
磨くようにしましょう。
3.歯磨き粉について
市販の歯磨き粉は、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)がたいてい入っています。
なぜこの界面活性剤が入っているかというと、
泡だって、歯を磨いた感があるからです。
でも、泡だってしまうことで、長い時間は磨けないので
●プラークを落とすようなしっかりした歯磨きにならない
●口の中に味が残って、味覚が変わってしまう
●もしかしたら発がん性があるかもしれない
という弊害があります。
また、市販の歯磨き粉研磨剤が入っています。
従って、長期間研磨剤入りの歯磨き粉で磨いていると、歯のエナメル質が薄くなってきます。
エナメル質が薄くなると、歯が黄ばんできます。
歯周病予防で、プラークをコントロールするためには、
市販の歯磨き粉は必要ではありません。
私がかかっている歯周病専門医も、
歯磨きは歯ブラシに水をつけただけでOKと言っています。
その代わり、プラークをそぎ落とす、しっかりと正しい歯磨きをすること
と言っています。
しっかりした正しい歯磨きは、最低でも15分ぐらいは必要です。
歯磨き粉をつけて、3分の歯磨きでは、磨き残しがたくさんあると思います。
歯磨き粉を使いたいのであれば、時々使う、くらいにしておいた方がいいでしょう。
◎まとめ
歯周病予防の歯磨きのタイミングは、寝る前と起床後。
歯磨き粉は使わなくてもいいので、しっかり正しいブラッシングで
プラークを落とすようにすること。